浦和vs.マンC戦も放送なし。報道少は電通のせい?

まず、本日深夜に開催されるクラブワールドカップ・浦和レッズvs.マンチェスターシティ戦については引き続き放送がなく、「FIFA+」での配信になるとのこと。


前回障害が発生した件について、浦和レッズの公式Webサイトによると改善策を実施したとのことですが、それでも足りなくなる可能性はあります。こちらでできる対策としては、早めにアクセスしておくくらいしかないのが正直なところです。


FIFAによる配信サービス「FIFA+」に関しましては、準々決勝配信時に大変繋がりにくくなる事象が発生しておりました。
FIFAからは改善対応実施済みとの連絡を受けておりますが、万が一準決勝配信時においても同様の事象が発生した場合につきましては、公式Xにてテキスト速報を提供させていただく予定です。

さて、クラブワールドカップについて、X(旧Twitter)では「日本で報道が少ないのは、FIFAとの契約を切られた電通による嫌がらせ」という言説が出てきているようです。


いくら電通と言えども、報道の量や内容にまで干渉することはできないとは思うのですが、どうもこの言説が出てきた一因として、当ブログの過去の記事があるようなので、若干の責任を感じております。

以前の記事で取り上げたのは「FIFAが昨年限りで電通との代理店契約を打ち切った」というものです。おそらくこの内容については間違っていないとは思うのですが、これは日本を含むアジアのいくつかの国を対象とした、放映権販売に関する契約を指します。電通はFIFAから放映権を仕入れ、各国に販売することで利益をあげているわけです。


それを「中抜き」と称して嫌う向きもありますが、運営側が代理店に期待するのは営業のノウハウや各国の放送局とのパイプであって、それに応じた手数料を払うことには大いに意味があるものです。


今回契約を解除したのは、放映権の販売業務を内製化するためです。これにより手数料を払う必要はなくなりますが、ビジネスに精通する人材をきちんと雇わなければリスクが大きくなります。最悪、どこにも売れずに終わることだってあり得るのです。


FIFAとは直接関係ありませんが、先日ワールドカップ2次予選のシリアvs.日本戦が放送されなかったのは記憶に新しいところ。シリア側の代理店が日本側の事情をきちんとくみ取れなかったことが失敗につながりました。

電通は「FIFAの代理店」という立場からは外れましたが、日本国内においては引き続き「放送局の代理店」であり「スポンサーの代理店」でもあります。各社の利害を調整するのが彼らの仕事です。よって、今回のクラブワールドカップの放映権についても、以前とは違う立場ではありますが関与することはできたでしょう。


今回契約が成立しなかった理由はいろいろと考えられます。前の記事でも触れましたのでそちらもご参照ください。少なくともFIFA側の要求と放送局側の利害がつり合わなかったとは言えます。それをFIFAの営業の失敗とみなすのか、それとも放送局側の努力不足とみなすのかは、正直なところ分かりません。


複雑な物事を単純化して、これが悪者だと言い切るのは短期的には気持ちいいものかもしれませんが、そこから先につながるものがありません。

さて、もうひとつ言われているのが、Jリーグの広報が不足しているのでは?という点です。確かにもうちょっと頑張ってほしい面はあるのですが、Jリーグが公式に浦和という1クラブを特別扱いすると、それはそれで批判が出てくるという面もあります。


ACLでは甲府が「他サポ歓迎」の姿勢を打ち出し、さまざまなユニフォームを着たサポーターが国立競技場に集まったことが話題となりました。これについて「感動的な光景」と称賛する声があった一方で、やはり批判的な意見があったことも見逃せません。

実は、Jリーグの英語版のアカウントでは積極的に発信を行っていたりします。海外に向けてはJリーグの価値を上げることが至上命題であり、それによって放映権料だけでなく、移籍金だったり、クラブへの投資を増やしていくことが求められます。いわゆる秋春制についても、国内市場の成長に限界がある以上、海外向けの展開を念頭に置いてのものと理解しています。

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