欧州スーパーリーグ構想、FIFA・UEFAに勝訴。

欧州司法裁判所(EUJ)は、いわゆる「欧州スーパーリーグ構想」に参加を表明したクラブに対してFIFAとUEFAがペナルティを課そうとした行為を、優越的地位の濫用であり違法だとする判決を下しました。


この判決により、理屈としてはクラブ側がUEFA主催の大会(CLなど)の参加を拒否してもペナルティは課されず、自由に他の大会に参加できることになります。


EUJと言えば、EU域内で選手の移籍の自由を認めた「ボスマン判決」が有名です。果たして、サッカー界にとってボスマン判決に次ぐインパクトとなるのでしょうか。さらに言えば、サッカーだけでなく他競技の統括団体にも影響を及ぼすかもしれません。

スーパーリーグ構想自体はかなり前から存在しており、肥大化を続けるUEFAを牽制するものとなっていましたが、実際に具体化することはありませんでした。しかし、2021年4月にこの刀は抜かれてしまいました。そして、わずか数日で崩壊しています。


一度抜いたら終わりのはずの伝家の宝刀が、今回の判決によって蘇る可能性が出てきました。とは言っても、そう簡単にこれだけの規模の大会を運営できるとは思えませんが、独占よりも競争相手がいるほうが健全であることは確かです。

スーパーリーグの運営組織であり、今回の訴訟の原告でもある「A22 Sports Management」は、判決を受けてさっそく新たな構想を発表しています。最大64クラブが参加し、3つの層に分かれてリーグを実施するとのこと。


そして、試合の中継は「Unify」と名付けられた独自のストリーミングプラットフォームで実施し、無料で視聴できるとしています。テレビ局に放映権を販売することを完全に否定しているわけではありませんが、放映権料に依存しないビジネスとなります。収益は広告やプレミアムサービスの会費などで生み出すとしています。


参加クラブには収益の8%を配分し、最低保証は4億ユーロとのこと。これはUEFAの2倍以上だと言います。つまり、単純計算で年間50億ユーロ以上の売上が必要だということになりますが・・・果たして信憑性はあるのでしょうか。

少なくとも、資金の提供元があればスーパーリーグを発足させることはできるでしょう。2021年の際には投資銀行のJPモルガン・チェースの名前があがっていました。そして、現在真っ先に名前があがるのは・・・そう、あの国の政府系ファンドですね。もちろん、継続させるのはさらに難易度が高いことは言うまでもありません。

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