ブンデスへの抗議活動止まず & レッドブルがJ進出?

ブンデスリーガの試合において、サポーターの抗議活動はいまだ止むことがありません。グラウンドには物が投げ込まれ、ゴールポストには「鍵」がかけられ、クラブ会長を侮辱するフラッグが掲げられたりしているとか。


その背景にあるのは、リーグの放映権等を管理する会社の株式8%を投資ファンドに売却するという計画への抗議なわけですが、すでにスペインやフランスでは行われているこの資本政策がなぜここまでの反発を生むのか、外部からだとなかなか理解するのが大変です。

ドイツではスポーツクラブの歴史・公共性を重んじる価値観が強く、特定の大資本の介入を防ぐための「50+1ルール」が作られています。ブンデスリーガの2部以上に参加するクラブは、その株式の過半数をフェライン(Verein)と呼ばれる非営利法人が保有することが義務付けられており、大資本が経営権を握ることが制限されています。

(※20年以上クラブを支援し続けてきた企業には例外が認められる)

現在リーグは投資会社の候補を2社に絞り、交渉を進めていたのですが、ここに来てそのうちの1社であるブラックストーンが撤退したと報じられています。交渉のプロセスにおいて重大な懸念が発生したとのことですが、これは抗議活動の成果なのでしょうか。


これにより、残る候補は毎度おなじみCVCキャピタル・パートナーズのみとなりました。CVCとの交渉がまとまれば、ラ・リーガ、リーグ・アンに次いで欧州主要リーグ3つに関与することになります。

ブンデスリーガはドイツ国内での次期放映権の入札を開始しており、4月には決定する見込みです。そのため、CVCとの交渉は遅くとも3月中にはまとめる必要があります。それまでは抗議活動も止むことがないでしょう。

海を越えて、日本では外資の参入を緩和する動きが進んでおり、スポニチが報じたところによるとレッドブルがJクラブの買収に動いているとのこと。候補としてはJ3の大宮の名前があがっています。


レッドブルはブンデスリーガのRBライプツィヒの「実質的な」オーナーとされています。先の「50+1ルール」によって正式なオーナーとしては認められていないのですが、クラブ名に「RB」の2文字を冠し、Red  Bullの略ではないと言い張っていたりしますので、やはり批判的な声は大きいようです。


レッドブルは隣国オーストリアの企業ではありますが、それでもドイツのカルチャーとは合わない部分があります。ならば遠く離れた日本ではどうなるのか。今回の話も決して対岸の火事ではないことが分かります。

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