スカパー、プロ野球全試合の中継終了も視野。

東洋経済ONLINEに掲載された記事で、WOWOWとスカパーについて取り上げていました。ともに契約件数は右肩下がりとなっているのが現実なのですが、WOWOWの業績が低迷する一方で、スカパーを運営するスカパーJSATは過去最高益を達成したとのこと。

JSATと合併したスカパーは、JSATが手がけている衛星を活用した宇宙事業ビジネスに軸足を移しつつあり、芦田愛菜さんを起用したCMでも「宇宙実業社 スカパーJSAT」というキャッチコピーを用いています。いまのスカパーJSATにとって、放送事業は知名度を高めるためのビジネスであり、黒字であればそれでいいという考えのようです。


WOWOWもコールセンターの運営を受託するといった事業も手がけているのですが、あくまで放送が本業であり、もはや放送が副業と言ってもよいスカパーとは大きな差がついています。WOWOWも今後はコンテンツ制作に比重を置くことになるのでしょう。

スカパーの3月末時点の加入件数は約274万件です。3月は単月で2万件増加していますが、これはプロ野球シーズン開幕による季節的なものであり、それを除けば毎月減少が続いています。


スカパーJSATの米倉英一社長は、先の記事で「将来的に会員数が100万人に減ったとしても利益を出せる構造にしていく」と発言しています。利益が出続けている限りは放送事業から撤退する必要はないというわけです。ただ、これはゆるやかな縮小が今後も続くことを意味していますから、積極的な投資には期待できないでしょう。

さて、この発言の次にはこのような記述があります。

現在は採算が取れている目玉のプロ野球全試合中継についても、赤字になったときには撤退も辞さない意向であると明かした。


なかなか衝撃的な発言ですが、実際のところスカパーが自ら放映権を保有しているのは福岡ソフトバンクのみですから、「撤退」するとなっても他球団の放送は続くものと思われますが、それでも看板だった「全試合中継」をやめるとなれば大きな決断となります。


現状はまだ黒字のようですが、今後この時は来るのでしょうか。また、スカパーが保有するブンデスリーガやルヴァンカップといった放映権にも同様の決断を迫られる時が近づいているかもしれません。

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