パリ五輪の放送時間まとめ

パリ五輪が終わり、振り返りも徐々にやっていければと思います。今回のテレビ中継については、災害が重なったなどの事情はあるものの、やや物足りなかったという意見が多く散見されました。といっても、東京五輪と比較したら物足りないのは当然ではありますので、前々回のリオ五輪と比較していくのがよいかと思います。


以下、リオ→東京→パリの各大会のテレビ中継の総放送時間をまとめました。民放のパリ五輪についてはまだ数字がまとまっていないのですが、リオ五輪と同程度か若干増えているものとみられます。


  • NHK(地上波): 240→430→315
  • NHK(BS1): 360→390→200
  • NHK(BS4K): なし→210→195 ※地上波と同じ内容を放送
  • NHK(BS8K): なし→200→100
  • 民放合計: 245→465→不明


NHK地上波の放送時間はサブチャンネルの活用もあって増えましたが、BS1の放送時間は大幅に減りました。BSプレミアムが廃止となり、前回まで行っていた24時間体制がなくなったことが理由です。そのため、録画で放送されなくなった競技が多数出ています。その分はネット配信で補ってね、ということなんでしょうけど。

日本選手の活躍という観点では、リオ五輪よりも選手団の数が大幅に増えています。これは団体球技で出場権を獲得した競技が多かったことによるものです。サッカー、バレーボール、バスケットボールなどはメダルには届きませんでしたが、数多く放送されました。


  • 合計: 338→583→410 ※辞退1含む
  • 男子: 174→306→218
  • 女子: 164→277→192


その分、他の競技が割を食ってしまい、メダルを獲得した競技でもテレビで生中継されないものが出てきてしまいました。また、球技でもハンドボールはあまり中継されないなど格差が出てしまったことは否めません。


金メダル20個、メダル総数45個という立派な成績をあげた日本選手団だけに、それらをすべてカバーできるだけの放送枠がなかったというのは、残念ではありますが嬉しい悲鳴でもあります。できればオリンピックの期間をもっと長期化・分散化してほしい・・・という気持ちも出てきますが、それって恵まれてますよね。

放送枠の決め方ですが、NHKと民放連で構成されるジャパンコンソーシアム(JC)が一括して放映権を購入する形となっているため、放送枠についてもJCの中で配分されることになります。一般的にNHKと民放は7:3の割合で放映権料を負担しているとされます。


詳しい配分方法は公開されているわけではないのですが、まずNHKと民放で割り振り、次に民放の中で割り振るという形になります。民放キー局によるくじ引きによって、大会何日目のこの競技といった枠が決定されます。

もちろん、期待されていた日本選手が残念ながら敗退してしまったり、逆に予想以上に活躍したりすれば、同じ枠の中で差し替えが発生することもあります。その時のルールまでは残念ながら分かりません。結果的にメダル決定の瞬間を逃す出来事がいくつも発生していました。

オリンピックの恒例として、他局のアナウンサーが実況を行っている場合があります。これはJCが放映権を購入しているため、実況・解説を入れた映像もJCが制作していることによります。NHKと民放各局がそれぞれJCにアナウンサーを派遣する形です。


リオ五輪とパリ五輪を比較すると、民放のアナウンサーは12→12人と変わりませんが、NHKのアナウンサーは18→12人に減っているようです。NHKも経費削減が叫ばれており、海外出張を減らしたのでしょうか。


そうなると、カバーできる競技数も自ずと減ってしまうことになります。全競技をネット配信で観られるいい時代にはなりましたが、どの競技に日本語実況をつけるかも大きな課題です。

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