パリ五輪、視聴率は低迷もTVerは1億再生超え。
いまさらな感もありますが、パリ五輪の視聴率について。読売新聞の記事では、時差が近い2012年のロンドン五輪を比較対象として、低迷を伝えています。とくに開会式ではNHKの視聴率が約半分になったとのこと。
正直、12年前との比較は厳しすぎます。日本で五輪のネット配信が始まったのは2008年の北京五輪であり、その後徐々に拡大。2016年のリオ五輪ではほぼ全競技をカバーするに至りましたが、当時とは動画ストリーミングの普及率が大きく異なります。
コロナ禍の最中に開催された東京大会を経て、人々の在宅率は下がり、視聴率はどんどん低下しているのが現状です。NHK・民放ともども、今回はインターネットと併用して視聴する新たなオリンピックの形を探っていました。
民放は今回「TVer」でほぼ全競技のライブ配信を実施。ユーザー数は2,100万UB(ユニークブラウザ)、総視聴時間は2,300万時間、再生回数は1億1,000万回だったと発表しています。
それでもテレビ視聴率の減少をカバーする水準には全然至ってませんし、広告収入もまだまだでしょう。もちろん、これはスポーツに限らずテレビ界全体が抱える悩みであり、TVerを活用した試みはいろいろと行われています。とくにドラマではリアルタイム視聴からタイムシフト視聴への動きが顕著です。
スポーツコンテンツはリアルタイム性が重視されることから、広告料金が高く設定できるとされており、欧米で放映権料が高騰している背景のひとつとなっていますが、日本は娯楽が多様化している国であり、同じ構図を当てはめるのは難しいかもしれません。
ジャパンコンソーシアム(JC)は2032年までオリンピックの放映権を契約済みです。今回のパリ大会の収支が赤字だったとすると、今後はさらに赤字が拡大する方向に進むでしょう。
パリ大会の開会前に開催されたIOC総会で、2026年と2030年の冬季五輪開催地が正式決定したとのこと。もちろん事前内定済みだったので大きなニュースではないのですが、裏を返せば決定前に放映権の契約を結んでいるわけで、リスクが大きいな・・・と感じます。
2034年以降については、FIFAワールドカップと同様にJCの図式が崩れることも考えられますし、もっと決定がずれ込むことも充分あり得るでしょう。以前ほどの金額が出せないということであれば、粘り強い交渉で解決していくしかありません。
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