DAZN日本CEO、イーロン・マスクを語る。

今年2月、DAZN JapanのCEOに就任した笹本裕氏。前職はTwitter Japanの代表取締役でした。現在は「X」と名前を改めていますが、当時のTwitterはイーロン・マスク氏によって買収され、リストラの嵐が吹き荒れていました。


先日発売された『イーロン・ショック 元Twitterジャパン社長が見た「破壊と創造」の215日』は、笹本氏が当事者としてイーロン・マスク氏と対峙し、そして自らも退職することとなった経緯を振り返る本です。

とは言っても、全5章で構成されているこの本において、主題となっているのは最初の2章のみです。第1章ではイーロン・マスク氏の人物評、そして第2章ではTwitter Japanで起こったことの顛末が示されています。なので、タイトルにつられて読み始めた人は肩透かしを食らうかもしれません。


第3章はTwitter以前の笹本氏の経歴が語られ、第4・5章では今回の経験をふまえた日本の企業やビジネスマンへの提言が書かれています。現在の仕事であるDAZNについては、あとがきでちょこっと触れられているだけです。


なので、当ブログではそんなに詳しく扱う必要もないのですが、やはり気になるのはDAZNの今後であり、それを占うためにはむしろ第3章以降のほうが気になるわけです。そういう意味で、筆者は奇特な読者なのでしょう。


いかにも外資系を渡り歩いたキャリアの人だなぁ、と思わせるところも多々ありますが、同時に日本のビジネスの美徳についても触れています。Xで大胆なリストラが行われたにも関わらず、日本での売上が落ちなかったのは、日本社会が築き上げてきた「エコシステム」の力であると評価しています。しかし、それはイーロン流とは正反対であり、その中間に正解があるのでは・・・としています。


笹本氏がイーロン・マスクと接して得たことは、未来へのビジョンを描き、それに向かう道のりを逆算し、最短手段を選ぶこと。そのためには「壊す」ことを厭わないということです。笹本氏はDAZNの「未来のパズル」は見えていると書いています。それを実現するためになにを壊し、なにを残すのか。よく見守っていきたいと思います。

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