【東スポ】リーグ・アン違法視聴がブラジルに飛び火。
東スポが引き続きリーグ・アン関連の記事で飛ばしています。リーグ・アンの放映権をめぐる問題は、これまでの経緯をみてきた筆者にとっては、申し訳ないけど面白い要素が散りばめられており、かつ考えさせられるものです。ですから、きちんと追いかけていけば日本市場にも多くの教訓をもたらす、実にジャーナリスティックな活動になると思うのですが、さすがに東スポに期待するわけにもいかず。
2020-21シーズンに年間11億ユーロの契約を結んだはずのリーグ・アンですが、コロナ禍の影響もあって権利者が撤退。5.8億ユーロに減ってしまいます。そして、今シーズンからは5億ユーロに減ってしまったのです(うちDAZNは4億ユーロを負担)。この凋落がなぜ起こり、そして今後どうなっていくのか。そして他国に波及するのか。そういったことを探りたく。
さて、高い料金設定によってリーグ・アンの違法視聴が増えているという話は以前にも鳥羽上げましたが、今回の東スポの記事はそれによって遠いブラジルにも影響が出てしまったという話です。
被害を被ったのは、ブラジルでYouTubeやTwitchなどを利用して無料配信を行っているチャンネル「CazéTV」です。CazéTVは今シーズンからリーグ・アンと3年契約を結んで配信を開始したのですが、フランスからVPNを経由したアクセスが急増したことから、一時的に配信を取りやめることになったのです。
CazéTVはブラジルでここ数年急成長を遂げているチャンネルなので、近々別件でも取り上げることになるかと思います。自らプラットフォームを持っているわけではなく、他社を借りているためVPN対策についても自力でできることには限界があります。
他社の対策が行われたことを確認しだい、配信を再開するとしていますが、その時がいつ来るのかは読めません。もちろん、停止している間の放映権料はどうするのかという問題がまた別途発生してくるでしょう。
以前の記事ではTelegramでの違法配信を取り上げましたが、こちらは著作権侵害のど真ん中なので堂々と摘発できます。その一方で、VPNによる視聴の対策は厄介です。VPNの利用自体は別に違法ではありません。ちなみに筆者も本業で使っていたりします。
DAZN自身もVPN対策に力を入れているようです。名前は伏せますが、最近こんなツイート(ポスト)が流れてきました。まぁ、気持ちは分かるんですけど、これを認めると逆のパターン、すなわち海外のDAZNを視聴する行為も野放しになりますからね。これはJリーグがもっと海外に放映権を売ってくれと言うしかないのでしょう。
フランスでは2022年に「ARCOM」という著作権侵害対策を目的とした公的な組織が発足し、違法なWebサイトをブロックする権限が与えられました。その結果、違法視聴者が27%減少する成果をあげたそうですが、それでも850万人が違法視聴を続けているとのことです。
それでもVPNの対策は不十分です。さすがにVPNを提供するサービスごとブロックするわけにはいきません。今回の出来事は、ユーザー側がVPNを対策として推奨したことによって起こったものと考えられます。最終的に損をするのは、きちんと料金を支払っているユーザーなのですから、ストリーミングに関わる業界全体で徹底的に取り組む必要があります。
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