NBA、twitterをセカンドスクリーンに。一方、楽天は…

NBAがtwitterで試合の配信を行うと発表した。放映権の一部を保有するタイムワーナー傘下のチャンネル・TNTが協力している。


対象は20試合で、試合後半(3Q・4Q)のみの配信とのこと。2/17に開催されるオールスターゲームから開始される。


従来の配信と違うのは、特定のプレイヤーを追いかける独自の映像であること。また、そのプレイヤーはフォロワーによる投票で決定される。

つまり、試合全体は従来通りテレビで見てもらい、もうひとつのスクリーンとしてtwitterを活用する。そこにSNSらしくユーザー参加の要素も加えている。

本来であれば、それぞれのユーザーが好きなプレイヤーを追いかけられるのが理想なのだろうけど、そのためには当然全員に対して専用のカメラを用意することになる。バスケなら単純計算で10台が必要だし、他の競技であればさらに増える。


将来的にこういうサービスが提供されたとして、果たしてペイできるのだろうか。そのための実験と考えてもいいのかもしれない。ユーザー投票の要素を取り入れたことによって、カメラは1台でもOKとなる。実際にはもう少し用意するかもしれないけど。


今回の実験はテレビとOTTサービスの棲み分けをはかるうえでも有意義なものとなる。また、OTTサービスにとっても今後の方向性を考える材料となるだろう。

OTTにチャンネル数の制限はないが、ひとつのコンテンツに多くのチャンネルを割くことによってよりリッチなものにしていくべきか。それとも、クオリティはさほど高くなくてもより多くの試合を配信していくべきなのか。

NBAのようなメジャーな競技であれば当然前者のほうに傾くだろうけど、どのサービスにも当然ながら予算の制限があるわけで、競技によってはテレビと同等以上のコンテンツを用意したり、逆にカメラ1台・実況なしの質素な中継を行ったり…といったメリハリをつける必要がある。

少し古びた言葉になっちゃうけど、いわゆるロングテールを狙っていくべきかどうか。各サービスの判断が試される。


ところで、この試みは残念ながらアメリカ国内のみ。日本でのNBAの配信は現在楽天が独占しており、「楽天TV」でしか試合を観ることができないのはご存知の通り。

そんな中、先日楽天はステフィン・カリー選手と契約。すでにスポンサーとなっているゴールデンステート・ウォリアーズを牽引するスター中のスター。ほんと、バルサといいイニエスタといいお金をどんどん注ぎ込んでます。


これで「Rakuten」の名前は世界中の多くの人に刷り込まれることになりますが、これをどうビジネスで回収していくのかはまだまだこれから。

NBAでは渡邊雄太選手が日本人として2人目の出場を果たし、また来季のドラフトでは八村塁選手が上位で指名されることが確実な状況になっており、今後日本でも人気はどんどん上がっていくはず。そんな中、現状コンテンツを囲い込む戦略をとっている楽天はどう動くのか。


たくさんの人にまず見てもらうという観点から言えば、一部の試合を無料配信するのもいいけど、やはりテレビとの共存は必要なんじゃないのかな…というのが個人的見解です。さてどうなりますかね。

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