フォーミュラEライブ配信の混乱と「裏解説」の可能性

昨日開催されたフォーミュラE第2戦において、開幕戦で行っていたYouTubeのライブ配信がジオブロックにより視聴できなくなった。

日本におけるインターネットの配信権はJSPORTSが持っているが、ライブ配信の権利ではなく、レース終了から3日後に配信される。昨シーズンまで実施していたtwitterでの配信もなかったため、JSPORTSのテレビチャンネル(しかもJSPORTS4)の契約者以外の人がライブ配信を見る道は断たれた。


まぁそれだけならちゃんと契約してね、という理屈も成り立つのだけど、YouTubeの公式チャンネルが代わりにライブ配信していたのは、いわゆる人気YouTuberによる「裏実況」で、肝心のレース映像はときどきちらっと映るだけ。この扱いには同様にジオブロックされている国の人たちから非難のコメントが浴びせられることとなった。

実はYouTuberによる配信は開幕前から決まっており、開幕戦ではイギリス限定で行われていた。それが第2戦ではグローバルに見られるようになっていたという次第。でも、これじゃファンが荒れるのは当然ですな。

フォーミュラE自体は過去のレースのアーカイブもYouTubeに載せていたりとネットに力を入れているほうなので、なぜこんなことになったのか疑問に思わざるを得ない。運営が設定ミスをしたのでは、と思ってしまうくらい。


さて、話題を変えるとして「裏実況」「裏解説」というコンテンツ自体は今後も発展していくことになるだろう。テレビの音声を消して、好きな人の実況・解説を聞く。よくSNSでは好き嫌いの声が流れるけど、ならば選べるようになればよい。初心者向け、マニア向け、居酒屋モード(^^; いろいろあってよい。

また、放送局にとっても不満の声を減らす対策となり得る。できれば副音声で会場音のみの放送も用意してくれるとありがたい。

また、多くのコンテンツを配信するOTTサービスにおいても、すべてのコンテンツに実況・解説をつけるのはどだい無理な話なので、協力してくれる人をうまく見方につけたい。コメンタリーをアウトソーシングできるのであれば、ハンディカメラ1台のみでローコストで配信できるコンテンツも出てくることだろう。

ということで、サッカー解説で定評のある戸田和幸さんらのチャレンジを紹介。彼らは「裏解説」の有料化を実行している。現在開催中のアジアカップにおいても、日本の初戦のみ無料配信とし、2戦目以降は有料化した。

もちろん有料で提供する以上、それに見合ったクオリティを提供する義務がある。SNSでの反応を見る限りでは、戸田さんはとても勉強されているとのこと。


おそらく日本のスポーツにおいて「プロ解説者」が存在するのは野球くらいだと思われる。引退後の選手のセカンドキャリアとして、指導者になる道もあるけど、プロ解説者をめざす道があってもよい。もちろん元選手以外の方が参入してくるのも面白い。今後もこういうチャレンジが増えてくることを期待します。

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