DAZN、W杯予選で最多視聴者数更新。
11月19日に開催されたワールドカップアジア最終予選・中国vs.日本戦。この試合を独占配信したDAZNは、日本のライブ配信における最多視聴者数を更新したと発表しています。
その前の記録は、2022年3月に配信したオーストラリアvs.日本戦だったそうですが、こちらは有料のみの配信でした。今回は2試合について無料配信が行われましたが、11月15日のインドネシアvs.日本戦でまず記録を更新し、19日にはさらに更新しています。
まぁ、有料と無料を比較してもあまり意味がありませんし、そもそも実数が公表されていませんので、この内容について評価することはできません。ただ、今回の発表の中で注目すべきなのはこの項目なのだろうと思います。
【関連パートナー企業(キャンペーン参加、CM配信など)】33社
無料配信である以上、収入源はほぼCMに限定されますので、何社が出稿したかは大事な要素です。日本代表のスポンサー企業や、これまでDAZNによくCMを出稿している企業が参加していたことは確認できました。ただ、自社の番宣も多かったので、もっと枠は埋められたはずだとも感じました。
今回の無料配信の決定についてはさまざまな声があります。中には「感謝すべき」という記事もありましたが、個人的にはそこまで卑屈にならなくても、と思います。これは単純にビジネス上の判断ですからね。
もちろん、DAZNが放映権を獲得しなかった場合、テレビ・ネットを含めて中継が完全になくなっていた可能性もありますが、交渉が長引けばもっと金額が下がり、結果として他社が参入した可能性もありますので、それも含めてなんとも言えないところです。経緯については、以前まとめた記事がありますのでこちらもご参照ください。
今回は「FANZONE」が無料開放されたわけですが、もちろん無料で視聴していた人も批判する権利はあります。ただ、DAZNにとってはターゲット層ではないというだけの話です。
こういった人が将来DAZNに加入する可能性は限りなく低いですし、FANZONEはこうした層に向けて作られたコンテンツではありません。ただFANZONEが本来想定していたターゲット層に刺さったかどうかの検証は必要でしょう。
次のアウェー戦は来年6月5日のvs.オーストラリア戦です。正直、日本代表を目当てにDAZNに加入する人は少ないでしょうし、たとえ加入してもすぐに解約することでしょう。DAZNに留まってもらうには、それ以外の魅力をアピールする必要があり、そのための雰囲気作りとしてFANZONEという機能を選んだのか。それとも、アピール自体ほぼあきらめていて、広告収入さえ得られればよいと考えたのか。
旧Twitterの日本支社CEOだった、DAZNの笹本CEOが仕掛けたということで、今回はSNSにおけるキャンペーンがどれだけ広がるか、実験的な要素もあったと考えられます。SNSによるキャンペーンは炎上のリスクもありますが、コストが低いことが特長です。まぁ、DAZNにとってはしょっちゅう炎上しているのである程度腹を括っているのでしょう。
炎上という話で言うと、なにかとやり玉にあげられる「DAZNガールズ」という企画もあったりしますが、これも比較的コストがかからない企画です。これを批判する人は、今回の無料配信の内容を批判している人と同様に、そもそもDAZNが想定しているターゲット層ではないというわけですね。
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