電通の対抗馬? 名古屋の新東通信が国際進出。

名古屋で設立され、東海地方を主な地盤としている広告代理店・新東通信は、AIMS(国際マラソン・ディスタンスレース協会)のマーケティング活動における公式代理店となったと発表しています。


日本の広告代理店で、スポーツにおける国際展開をしている会社というと、電通以外はほとんど思いつかないというのが正直なところですが、こうやって名乗りを上げるところが出てくるのは歓迎したいですね。

AIMSはフルマラソンを始めとする世界のロードレースの主催者が加盟している団体で、世界陸連(WA)と協力し、コースの承認や運営ノウハウの共有などを行っています。本部はギリシャ・アテネにあります。


日本語のWebサイトが用意されているのも市民マラソン大国・日本ならではといったところでしょうか。日本のマラソン大会では東京マラソンや名古屋ウィメンズマラソンなどが加盟しています。

名古屋ウィメンズマラソンの前身にあたる「名古屋シティマラソン」は、1980年に新東通信が企画して始まったのだそうです。当時、名古屋は1988年のオリンピック開催をめざしており、その招致活動を兼ねた企画でした。


オリンピックの歴史をさかのぼると、1984年のロサンゼルス大会からいわゆる「商業五輪」化が始まり、電通がそこに大きく関わっていくことになります。もし名古屋オリンピックが実現していたら、日本の、そして世界のスポーツビジネスは現在と違ったものになったかもしれません。なんちゃって。

新東通信は、地元・名古屋グランパスのマーケティング活動に携わるほか、ボートレースと深い関係を築いています。統括団体であるBOATRACE振興会、そして24の開催場すべてと取引を行っている唯一の会社だとのこと。

名古屋オリンピックは実現しませんでしたが、その後新東通信は2005年の「愛・地球博」の誘致に成功。国際的な事業も手がけるようになります。そして、2026年に愛知県で開催されるアジア大会のマーケティング担当代理店に選定されました。


もともと内定していた代理店が辞退したとのことで、その代理店とは電通であると報じられています。東京五輪の例の汚職事件により、公的な事業からは手を引かざるを得なかった形です。


電通の対抗馬が日本にいないという状態はひとつの悲劇だと言えます。候補となり得るであろう博報堂やADKなどの大手代理店も、今回の汚職ですべて摘発されてしまいました。しかし、意外なところから候補が現れたと言ってよいのかもしれません。そこに転がり込んできたチャンスをきちんと活かしてほしいと期待しています。

アジア大会と言えば、組織委員会の運営の準備が遅れているとのことで、OCA(アジア・オリンピック評議会)から改善要求を受けていると報じられています。新東通信はマーケティング担当なので、この件に大きく関わっているわけではないのですが、電通不在の影響が出ているのかな・・・と勝手ながら思ってしまいます。

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