ナショナルズvs.オリオールズ、合弁をめぐる争い。
MLBのワシントン・ナショナルズとボルティモア・オリオールズが、合弁会社であるローカル放送局・MASN(Mid-Atlantic Sports Network)から支払われる放映権料をめぐって争っているとのこと。
この話題は旧Bally Sportsの破綻処理とは直接関係ないのですが、いわゆるRSN(Regional Sports Network)のビジネスモデルがCATV離れなどによって崩れている中で起こった出来事という意味では共通しています。もっとも、この両球団はそれ以前からずっと争っている関係ではあるのですが。
旧モントリオール・エクスポズが移転し、ワシントン・ナショナルズとなった2005年にMASNも誕生しています。ワシントンとボルティモアは隣接しており、放送エリアが重複していることから、旧エクスポズの暫定オーナーとなっていたMLBの介入によってMASNが設立されました。
当初はオリオールズの権益を守るという意味もあり、株式の90%をオリオールズ、10%をナショナルズが保有する契約となっていましたが、2028年まで毎年1%ずつナショナルズの比率を増加させ、最終的には33%になる予定です。ですから、計算上では今年は70:30となります。
ナショナルズの放映権料は2,000万ドルからスタートし、2012年に行われた再交渉は裁判所に持ち込まれました。ですから、この当時から争いがあったわけですが、この時は5年間で総額3億ドル程度だったとされます。
5年後となる2017年、案の定また揉めることになるのですが、最終的に決着したのは2023年12月のことで、今度は5年総額3.05億ドルとなっています。
そしてまたまた5年後となる、2022年以降の話が今回の記事になっているわけです。当初は年間7,280万ドルに設定されていましたが、3年目以降の2024年からは20%減額されて5,380万ドルとなっています。つまり、5年間の総額は3億2,050万ドルとなります。
問題は2022年以降、3年分の放映権料がいまだにナショナルズに支払われていないということで、これが選手獲得の妨げになっていることは明白です。2027年の次の契約ではまたまた揉めることは必至でしょうし、今回は減額が認められているので状況は厳しくなっていきます。
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