【追記あり】DAZN、巨人との提携を10年延長。広島どうする?

DAZN・読売巨人軍・読売新聞は、3社による包括提携を10年間延長することで合意したと発表しました。


新たな合意により、一軍戦だけでなく、春季キャンプと二軍戦がDAZNで配信されるようになります。また、台湾での放映権も獲得しています。DAZNはEleven Sportsの買収にともない、台湾でもサービスを提供しています。


DAZNは引き続き巨人軍のスポンサーとなり、また読売新聞はDAZNの拡販に協力します。

3社の提携は2019年に始まります。その前年(2018年)、DAZNは巨人を除く11球団と契約を結んでおり、巨人との契約は至上命題でした。


この時の契約は、メディアによって差がありますが20~25億円だったと報じられています。それだけのコストを投じて巨人を口説き落としたわけですが、同じ年に広島とヤクルトが離脱。12球団コンプリートは幻となってしまいます。

2019年の契約は単年で、2020年には再度5年契約を結んだと報じられています。よって、昨年(2024年)をもって契約がいったん切れるというのは正しいことになります。


一度は離脱したヤクルトですが、2020年にはDAZNに復帰。DAZNは広島を除く11球団の放映権を獲得しました。しかし、広島の復帰、そして12球団コンプリートは現在に至るまで実現できていません。

広島が離脱した理由について、東洋経済は球団広報のコメントとして「広島県内及び一部地域でのライブ配信をしないという条件を飲んでもらえなかったため」だと記述しています。ただ、前年までDAZNはこの条件を飲み、IPアドレスによる制限をかけています。この点にこだわって交渉決裂にまで至った・・・というシナリオはどうにも信じ難いです。


広島がDAZNに復帰しない理由として「地元局への配慮」という説がよく言われるのは、この記事による影響が大きいと考えられるのですが、実際のところそれだけではなく、別の理由があるのでは・・・とも思うのです。巨人へのあまりの好待遇に不満を抱いたのではないか、というのはひとつの仮説です。


今回の10年延長は一見前向きなニュースではありますが、それと同時に広島との距離をさらに遠ざけるのではないか・・・と勝手ながら心配してしまいます。そして、パ・リーグがPLM社を通じて行っているインターネット向けの放映権一括管理が、セ・リーグでは到底実現しないであろうということを改めて決定付ける出来事でもあります。

ちなみにIPアドレスによる制限ですが、J SPORTSオンデマンドでは2022年から撤廃されました。その一方で「ひかりTV」などのIPTVを通じた視聴ではいまだに制限があります。これは、一部地元局の都合だと言われていますが・・・まぁなんとも複雑ですね。

【追記 1/29】

夕刊フジ(zakzak)の記事によると、巨人の山口オーナーはセ・リーグの放映権一括管理に否定的な発言をしているとのことなので、ここに追記しておきます。

なお、パ・リーグにおいてもPLM社が一括管理しているのはインターネット向け、および海外向けの放映権であり、テレビ向けについては個別管理であることも補足します。


「今のところセ・リーグにおいては、テレビ中継が球団経営を支えている。このビジネスモデルが機能していると私は見ている。セ・リーグの中でパ・リーグのように放映権を一括して管理する話は、まったくどこからも出てきてない。現状は変わらず進んでいくのではないか」

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