【続報】DAZN、2023年の赤字は14.8億ドル。

DAZNの2023年の決算報告書が公開されました。以下のサイトからダウンロードすることができます。

2023年の決算は14.8億ドルの赤字であり、前年の12.6億ドルからさらに拡大しました。

営業利益でも13.7億ドルの赤字で、前年の10.6億ドルから拡大しています。

日本市場に限定した数字というのはないのですが、Asia Pacificにおける数字は公開されています。2022年の売上は2.66億ドル、2023年は約2.9億ドルとなっており、約9%の増収です。


ただ、これは評価が難しいです。ひとつは2023年に円安がさらに進んでいること。そして、今回から買収したEleven Sportsの売上が加わっており、Elevenの主要市場であった台湾の数字も含まれていると考えられます。


2022年の年末時点での為替レートは1ドル=131円、2023年は141円でしたので、仮にその数字を当てはめてみると、2022年の売上は約348億円、2023年は約408億円であり、約17%の増収となるのですが、ドルベースでみると縮小されてしまいます。

なお、Eleven Sports買収によって、年間約2億ドルの売上が計上されているとのことです。Elevenの主要市場はベルギー・ポルトガル・台湾であり、上記の数字にも数千万ドル程度が加算されていると考えてよいかと思います。


DAZNは2023年2月に2年連続の値上げを実施しており、月額は3,000→3,700円、年間払いは27,000→30,000円となっています。これによる流出が懸念されたのですが、売上はいちおう増えています。台湾の数字を差し引いても、大きな変化はないといったところでしょうか。流出は起きていると思われますが、大量というほどではありません。

赤字が拡大した要因としては、やはりコストの増大であり、全体で9.5億ドル増加。うち放映権料が7.5億ドルを占めています。一方で人件費は減っていたりするのですが、そちらのコストを削ったとしても、放映権料の高騰が経営を圧迫し続けています。


このコスト増は値上げという形で我々にも降りかかってきているわけですが、もちろん手をこまねいているわけではなく「DAZN Freemium」導入による広告収入の増大や、「DAZN BET」によるスポーツベッティング市場への参入といったトピックがあります。これらが反映されるのは、2024年の決算ということになります。


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