「やベスタ」無料化へ。幻となった「応援宣言」

2月10日に配信されたDAZN「やべっちスタジアム」において、次回から無料配信されることが発表されました。また、配信時間は月曜朝7時から21時に変更されます。

https://dazngroup.com/press-room/0210-2/


これまでのJリーグ主体の内容からリニューアルし、女子サッカーや日本人選手が活躍する欧州リーグの話題も取り上げていくとのことで、DAZNのサッカーコンテンツによる総力戦の様相を呈しています。まずは6月に開催されるFIFAクラブワールドカップがひとつの山場となります。

実は、最初のプレスリリースには「日本サッカー応援宣言」というキャッチフレーズが書いてありました。これは紛れもなく、前身番組「やべっちFC」のサブタイトルであり、当時のテレビ朝日が使い続けていたワードです。これが久しぶりに帰ってきた・・・はずだったのですが、なんと差し替わってしまいました。記事を残し損ねたので、代わりに検索結果のスクショを載せておきます。


「やべっちスタジアム」の制作会社は「やべっちFC」と同じ、テレビ朝日傘下の制作会社である文化工房です。タイトルこそ変わりましたが正当な後継番組と言えます。「日本サッカー応援宣言」は商標登録されてないと思いますので、別に使っちゃダメということはないと思いますが、さすがに仁義というものがあります。


現在配信中の「デジっち」では、横浜・F・マリノスに移籍したトーマス・デン選手が好きな日本語として「やべっ」と言ってましたが、これこそが「やべっ」な話です。

DAZNが無料配信を増やす動きは昨年から「DAZN Freemium」として各国で取り組まれています。日本では昨年11月のワールドカップ予選に続き、まもなく始まるU-20アジアカップも日本戦が無料になりました。そして、クラブワールドカップはグローバルで無料配信となります。

DAZNとしては広告収入を増やしたいという思惑があります。それは裏返すと、有料だけでは限界があることを示しています。日本に限らず、各国で料金が上がっており、これ以上絞り取るのは難しくなっています。


そして、スポーツの放映権料が高騰している背景には、スポーツのライブ性に価値が見出されていることがあげられます。そしてライブは広告との親和性が高く、広告を入れないビジネスはもはや考えづらいです。NetflixやABEMAはすでに広告付きプランを開始しており、Amazonもまもなく追随する見込みです。

そこに、日本固有の事情としてフジテレビ問題が飛び込んできました。少なくとも3月いっぱいはフジテレビのCMがほとんど飛ぶ見込みです。そこで浮いた広告費はどこに行くのか。


広告代理店はクライアントの全体予算が削られないよう必死になっています。他のテレビ局にはすでに空いている枠が少ないので、必然的にネットへと流れていくはずです。DAZNもある意味「特需」の恩恵を受けられるのでしょうか。


6月のクラブワールドカップの先には、7月に開催される「E-1選手権」があります。この大会はこれまでフジテレビが放送し続けてきましたが、影響が長期化するようであればDAZNにチャンスがめぐってくるかもしれません。もし、AFCと同様テレビ朝日とタッグを組むといったシナリオがあれば、それこそ「日本サッカー応援宣言」が復活できるような気もしますが・・・。

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