プレミア米ツアーが復活。セリエAは公式戦開催?
昨年は開催されなかった、プレミアリーグのアメリカ遠征「サマーシリーズ」が2年ぶりに開催されます。今回はボーンマス、エヴァートン、マンチェスター・ユナイテッド、ウェストハムの4クラブが参加し、7月下旬~8月上旬にかけて総当たりで対戦します。プレミア公式のイベントなので、日本ではU-NEXTでの配信が濃厚です。
このサマーシリーズを手がけているのが、アメリカのRelevent Sportsです。Relevent社は2027-28シーズン以降、UEFAの代理店となることが確実視されています。昨年も開催を予定していたそうですが、2月の段階でキャンセルが発表されています。理由はロジスティクスの事情となっていますが、裏ではいろいろな事情を抱えていそうです。
6月にはアメリカでクラブワールドカップが開催され、プレミアからはマンチェスター・シティとチェルシーが参加します。この2クラブは当然ながらサマーシリーズには選ばれていません。FIFAとプレミア、さらにUEFAも加わって綱引きが行われているといったところでしょうか。
Relevent社はラ・リーガとアメリカでのプロモーションを行う契約を結んでおり、ラ・リーガのクラブも毎年アメリカ遠征を行っています。こちらの今年の開催予定もそろそろ発表されるものと考えられます。
そして、その先にはプレミアやラ・リーガの公式戦開催という計画につながっていきます。UEFAの代理店となることで、UEFAスーパーカップやCL/ELの決勝戦をアメリカで開催する案も今後浮上してくるものと予想されます。
もともと、リーグ戦を国外で開催することはFIFAが認めていなかったのですが、Relevent社がFIFAとUSSF(アメリカサッカー連盟)を相手に訴訟を起こし、FIFAと和解を勝ち取っています。USSFとはまだ決着していませんが、FIFAの姿勢に従わざるを得ないものと考えられます。
そこにある意味「便乗」してきそうなのがセリエAで、アメリカで公式戦を開催する案が浮上しているとのこと。すでにスーパーカップをサウジアラビアで開催した実績はあるのですが、リーグ戦となると大きな一歩を踏み出すことになります。
ただ、実際に開催するとなると調整事はたくさんです。どのクラブが参加するのか。利益の配分はどうするのか。ホームゲームを奪われることになる地元のサポーターをどう説得するのか、などなど。
来週は東京ドームでMLB開幕戦が行われますが、MLBはもともとシーズンの試合数が多いですし、今回も2試合を開催するので利益の分配はやりやすいでしょう。NFLも最近海外での開催を増やしていますが、こちらは権力で強引にでも押し進められる環境があります。
セリエAがこの点をどう解決していくのか。上述のスポニチの記事では、かつてプレミアがリーグ戦の「39試合目」として海外開催を目論んだという話も出ておりますが、これもまた各所で反発必至。セリエAの手腕が問われます。解決したらそれはそれでプレミアやラ・リーガが追随してくるわけですが。
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