DAZNと決別のリーグ・アン、3つのシナリオ。

フランス国内におけるリーグ・アンの放映権問題は、裁判所が提示した調停案をDAZNが拒否した状態です。4月30日は次回の放映権料支払い日となっており、それまでにDAZN側が何かしらのアクションを起こすものと考えられます。


来シーズンの放映権について、地元メディアが3つのシナリオを提示しています。

  1. DAZNが継続する
  2. 他の放送局に移動する
  3. リーグが自らチャンネルを立ち上げる

最初のシナリオは、何かしらの妥協が成立し、少なくとも来シーズンまではDAZNが放映権を維持するというものです。それでも、両社の契約には今年12月に行使できるオプションがあり、DAZNがそれを行使すれば来シーズン限りで終了します。行使は確実と思われるので、1シーズン限りの暫定的な解決です。


問題の先送りと言ってもよいのでしょうが、この1年の間にDAZNが不満を持っていた違法配信への取り締まり体制が強化されれば、次の放送局に引き継がれるとしても有利な条件で交渉できることになります。


オプション発動の条件は契約数が150万件に満たないことで、現状は60万件程度と報じられています。3月にはリーグの冠スポンサーであるマクドナルドと提携したキャンペーンを実施。先着12万名が対象なので、これを加えても70万件強ということになるでしょうか。

2番目のシナリオですが、注目されるのは前回のサイクルまで数十年にわたってリーグ・アンの放映権を保持していたCanal+ということになります。Canal+は前回のサイクルで発生したトラブルで嫌気が差し、今回のサイクルでは入札に参加しませんでした。


ただ、Canal+はDAZNのフランス市場参入時に提携を結んでおり、Canal+内でDAZNのチャンネルが放送されていたりします。ですから、自らは手を引いたものの、DAZNの陰に潜んでいたと言えるかもしれません。安い値段で獲得できるなら改めて表に出てくる可能性は十分なのですが、リーグ側も過去のいざこざを清算し、頭を下げる必要があるでしょう。

3番目のシナリオは、DAZNとの交渉がなかなかまとまらない中「100%リーグ・アンチャンネル」という名前で具体的に検討されていたものです。当時はWBDの「Max」と提携するといった報道も出ていました。


今回の記事では、チャンネルの提供先としてMaxに加えてCanal+の名前をあげており、期待がかかっていることが分かります。ただ、当時の報道では月額27.99ユーロという価格設定が報じられており、DAZNと比べてさほど安くはなっていません。


また、違法視聴している人はいくら安くなったからと言ってお金を払ってくれるわけではありません。どう転ぶにしろ、違法視聴対策は不可欠です。

ということで、これまでのリーグ・アンの放映権をめぐる経緯についてまとめページを作成しました。DAZNよりも前、Mediaproとの契約から触れております。

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