原点回帰? DAZNがサッカーデータを充実。

DAZNがライブ配信以外の付加価値を求め「ハイブリッド化」戦略を進めていることは以前にも紹介しましたが、それに呼応する形で「Scores」という機能が追加されました。アプリ限定の機能になりますが、サッカーの試合のスタッツ情報が充実しています。


対象は1,000以上のリーグ・大会とのことで、DAZNが放映権を持っている・いないに関わらず世界のさまざまなデータが掲載されています。放映権を持っている試合については動画へのリンクも張られています。


日本語のブレスリリースも出されていますので、以下をご参照ください。日本では「スタッツ&スコア」という名称になっています。

https://dazngroup.com/press-room/0423-1/

DAZNの前身であるPerform Groupはもともとスポーツデータを提供する会社であり、そういう意味では原点に帰った感があります。Perform Groupはその後会社を分割し、B2B事業を手がけるPerformと、B2C事業を手がけるDAZNに分かれました。Performは同業のSTATS社と合併し、STATS Performとなっています。


こういう経緯から、DAZNの日本参入時には「カジノ解禁を狙っての参入」などとよく言われたものです。確かに当時のPerform社の顧客にはオンラインカジノ業者もいましたが、DAZN自らがベッティングを運営していたわけではなく、しかも現在は切り離されています。

しかし、その後DAZNはヨーロッパ市場で「DAZN BET」を開始し、自らがベッティング業者となりました。現在もSTATS Perform社の少数株主として残ってはいるのですが、当時の経営判断はどうだったんだろう・・・と言わざるを得ません。もちろん現金が必要だという事情は分かりますし、株式上場を見据えた戦略であることも理解しているのですが、まだ上場を果たすことはできていません。

この時期にこういったサービスを始める意図としては、6月に控えたクラブワールドカップのライブ配信、そして「FIFA+」をDAZNのプラットフォームに統合する予定をふまえてのものです。


FIFA+には、DAZNが買収したEleven Sportsが関わっており、さらにその前身はEleven Sportsが買収したサッカー特化型の配信プラットフォーム「mycujoo」です。ニッチなものも含めて世界のサッカーを網羅し、映像があるものについては配信する。さらに国によってはベッティングも可能となる。そんな将来図を描いているものとみられます。

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