ゴルフ「前澤杯」4.5億円の赤字と公表。
先月開催された男子ゴルフツアー「前澤杯 MAEZAWA CUP」について、主催者の実業家・前澤友作氏は「4億5000万円の赤字」だったことを公表しました。前澤氏の個人負担で穴埋めするとのことです。
プロアマ戦の出場権をオークションで販売するなど、独自の試みが多数実施された異例の大会です。収入の中から賞金を捻出し、最大で賞金総額4億円とする計画を発表していましたが、実際には収入は3.3億円にとどまり、賞金総額は2億円となっています。
それだけでなく、観客動員が伸びなかったことが赤字の大きな要因になっているようです。前澤氏は来年以降も引き続き開催を続けたい以降で、収支をトントンにして持続可能な大会をめざしていくとのことです。
ただ、この赤字額を鵜呑みにしていいとも思えません。この大会が「前澤杯」ではなく、前澤氏が経営する会社の名前を冠していれば、スポンサー料として赤字額は大幅に相殺されたでしょう。あえてそうせず個人名を冠したというのは、前澤氏の名前自体が看板であるということを利用したものであり、したたかな戦略だと言えます。
今回開催されたコースは前澤氏が個人で買収したゴルフ場です。大会開催に向けた整備費用は赤字額に含まれているようですが、ゴルフ場の買収費用については含まれていません。今後もプライベートコースとなるのでしょうが、それ以外の活用方法もあってよいでしょう。
中継はABEMAとゴルフネットワークで行われました。ゴルフは放映権を販売するというよりも、代理店が大会スポンサーを集めて放送枠を買うといった形になり、主催者側が放映権収入を得られるわけではありません。中継費用に5,000万円程度がかかったとされており、映像制作についても持ち出しだったようです。
JLPGAは放映権の一括管理に踏み切り、放映権料の一部を主催者にも配分する意向を示しています。また、2027年をめどにJLPGAが自ら大会を主催する形に切り替えたいとしています。この試みはまだ課題も多いのですが、同様に男子ツアーも稼げる仕組みを考えていく必要があるでしょう。
不気味なのが、LIVの支援を受けているアジアツアーの存在です。先日日本でも「インターナショナルシリーズジャパン presented by マオタイ」という大会が開催されました。JGTOはPGAやDPワールドツアー(欧州ツアー)と提携しているため様子見でしたが、PGAとLIVとの関係が変化すれば、こちらも新たな動きが出てきそうな感じです。
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