ヒールなサッカー番組、遅すぎた?炎上。
「ヒールなサッカー番組」というコンセプトを掲げ、DAZNで3月から配信されている「もりちゃんずコロシアム」。最新回では「JリーガーDM暴露されすぎ問題」を取り上げ、結構な批判を浴びているようです。
筆者は初回から拝見していますが、いきなり「水かけPK問題」を取り上げたので、こりゃなかなか踏み込んでますなぁ、YouTubeとかABEMAでやりそうなことをDAZNでやるのはすごいなぁ・・・とは思っていたのですが、案外反響がなかったようにも感じます。個人的にはそれでも楽しんで見てしまったので、あんまり批判する気持ちはわきません。
いわゆる「炎上商法」的には、批判されるよりも話題にならないほうが悲しいものです。4回目の「スタジアム不便問題」でようやく批判が増え始め、5回目の今回でさらに増幅したといったところでしょうか。気づかれるのがいささか遅すぎたのかもしれません。
この番組は「DAZN Freemium」、つまり無料で視聴できるものです。なので「誰に向かって作っているんだ」と問われれば、少なくとも我々のようなスポーツマニアではないであろうことは確かです。新規顧客獲得のためというのはその通りなので、果たしてこのコンテンツは新規獲得につながるのか?という視点で批評すべきでしょう。
ただ、そう簡単にDAZNの契約者が増えるわけではないというのは、当のDAZN側もよく分かっているわけです。先月取り上げた笹本CEOのインタビューでは「ハイブリッドなDAZN」を掲げており、収入における広告の割合を増やし、将来的には半分以上にしたいと語っています。
従来、DAZNが無料で提供しているコンテンツはスポンサーが付いたタイアップ的なものが多かったのですが、この番組に特定のスポンサーはついていません。それでもスポットのCM収入が得られればよく、わずかでもDAZN加入者が増えれば儲けものです。
このあたりはきちんとデータをとって評価するはずなので、効果がなければそのまま終わるだけです。折しも、昨日DAZNと博報堂の提携が発表されたので、このコンテンツについても博報堂の目で検証してもらえればと思います。
今年2月には「やべっちスタジアム」も無料配信となり、構成が大きく変わりました。J1の全試合ハイライトがなくなったことが不評ですが、結局のところ全試合ハイライトを欲しているのはコアファンであり、ハイライトは他の番組でもやっています。DAZNとしてはそれ以外の層にどうやってコンテンツを届かせるかを模索している状況で、コアファンからの批判は最初から織り込んでいるはずです。
裏を返せば、それだけJリーグファンの新規開拓に手詰まり感があるということかもしれません。もちろん、JリーグはJリーグでローカル向けの情報提供を強化したり、無料招待企画などを実施したりしていますので、DAZNはまた別のアプローチをとっているのでしょう。もちろん、他の競技でも同様のバラエティ色が強いコンテンツが増えてくることは充分想定されます。
「もりちゃんずコロシアム」を制作しているのは、株式会社Libalentという会社で、Webサイトを見てみるとインフルエンサーマーケティングを手がけているそう。著名人のマネジメントや、YouTubeの映像制作も行っており、今回の企画はその延長線にあります。
マネジメントしている著名人の中には、カツラ着用で知られる将棋の佐藤紳哉七段の名前も。最近「どん兵衛」のCMに出演し、将棋マニアなら知っているであろう元ネタのパロディをやっていましたが、これも知らない人にとっては「ぽかーん」な内容なので、SNSでの反響込みで狙っているものと考えられます。
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