【動画】英サッカーを飲み込む米国マネー

今回は、アメリカの金融系メディア・ブルームバーグが制作したニュース動画をご紹介。日本ではブルームバーグと提携するTBSが日本語字幕をつけて公開しています。


タイトルの通り、プレミアリーグのクラブに米国資本が出資するケースが増えていること、そして欧州のサッカー文化にアメリカのプロスポーツ文化が流入していることを実にわかりやすく説明しています。10分程度の短い動画なので、すきま時間にぜひ見て頂ければと。

あんまり付け加えることはないのですが、やはり昇降格のあるオープンリーグであることが投資家にとっては不安定要素だということが最大のポイントでしょう。降格すれば経営が傾きますし、降格しないよう各クラブとも多額な人件費を費やしますので、結局のところ経営は安定しません。


それが爆発したのが、この動画でも触れられていますが2021年に騒動となった「スーパーリーグ構想」ということになります。ビッグクラブが集まって降格なしのリーグを作ろうとしたわけです。


当時としては、過密日程を押しつけるUEFAとの対立という視点で語られることが多かったと記憶していますが、その資金のバックとなっているのはアメリカ系の投資ファンドであり、欧米の文化的な衝突でもあったというわけですね。最近は中東マネーも入り込んでいるのでさらに複雑化していますが。

オープンリーグとクローズドリーグ、どちらが優れているかといった論争はたびたび起こるのですが、議論が噛み合わないのはプロスポーツがビジネスであるとともに文化だからでしょう。ビジネスだけで言えばクローズドリーグのほうがよいのかもしれませんが、地域に根差したクラブは経営が苦しいからと言って移転などできません。


また、際限なく利益を追求する姿勢は永続性と逆行するものです。放映権料の高騰が視聴料金にはね返っていることは言うまでもありません。庶民の娯楽だったはずのサッカーが、庶民の手の届かないところに行ってしまうことは避けねばなりません。


また、クローズドリーグはつねに独占禁止法との境界線上にあり、アメリカではプロスポーツは「特例」とされたため現在の発展があります。同じ論理でヨーロッパに食い込もうとすれば、EUやイギリスの法律で刺されるリスクも高いでしょう。

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