オランダに「出島」出現。日本人が2部クラブオーナーに。

シティフットボールグループ(CFG)で日本支社の代表を務めていた利重孝夫氏が、昨年オランダで新たな法人「出島フットボール」を設立。今年4月に、オランダ2部所属のMVVマーストリヒトの株式50%を取得し、共同オーナーに就任しました。

利重氏と、オランダ現地の執行責任者である飯塚晃央氏へのインタビュー記事を「サッカーダイジェスト」が掲載しています。これによると、以前共同オーナーを務めていたアメリカ系の投資ファンドが突如撤退してしまったことがきっかけだったとのこと。


オランダでクラブを保有するメリットとして、2部と3部のあいだで事実上昇降格がなく、長期的な経営戦略が立てられることをあげています。オランダリーグの制度について詳しい資料がないため、正確なところは分からないのですが、プロとアマチュアの線引きをはっきりとしているようです。


現状は予算規模が小さいため、日本人選手の獲得は現実的ではないとのことですが、情報交換やクラブ運営のノウハウを共有することで「日本サッカーのハブ」にしたいと意気込みを語っています。

飯塚晃央氏は、ベルギー2部・デインズでCEOを務めていた方です。デインズもまた日本人が代表を務めるACAフットボール・パートナーズ(ACAFP)が保有していたクラブですが、昨年12月に経営破綻し、売却されたことは記しておく必要があります。

ACAFPが保有するもうひとつのクラブである、スペインのトレモリーノスCFは4部から3部への昇格を決めたとのことですが、当初掲げていたMCO(マルチクラブ・オーナーシップ)からは遠ざかっています。


利重氏はCFG時代に「MCOのど真ん中」にいた経験から、MCOを目論見通りに展開していくのは大変だと語っており、今回のマーストリヒトをMCOに発展させるための「踏み台」にするといった考えは持っていないようです。


簡単にMCOと言っても、クラブにはそれぞれが抱えている歴史があり、それを尊重していく義務があります。ましてや破綻させてしまえば、その歴史が途絶えてしまうのです。デインズはあわや解散の危機にまで陥ったわけですから、重大な責任があると言えます。充分な反省をふまえて次のステップに進まねばなりません。

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