【追記あり】豪Optus Sportが撤退か。プレミア放映権を放出。
オーストラリアのOptus Sportは、自らが保有しているイングランド・プレミアリーグの放映権をNine Entertainmentにサブライセンスすると報じられています。Optusが現在結んでいる契約は、放映権料が年間8,500万~1億豪ドルと推定されていますが、そのうちNineが6,000万豪ドルを負担すると言われています。
【追記 6/30 13:00】
ちょうど今朝(6/30)、Optus Sportsから正式な発表があり、8月1日にサービスを終了するとのことです。プレミアリーグのほかFAカップ、NWSL(米女子)、そしてJリーグの放映権がNine Entertainmentに移され、Nine傘下のStan Sportで配信されます。
Optus Sportは通信会社のOptusが2016年に立ち上げたスポーツ中継のサービスです。開始当初から目玉コンテンツとしていたのがプレミアリーグです。Optusの契約者に対しては無料でサービスを提供していました。このあたりの経緯は、同じく2016年に日本で開始されたソフトバンクによる「スポナビライブ」と似通っています。
2年ほどで撤退してしまったスポナビライブとは違い、Optusは着実に地位を高めてきたのですが、2022年には有料化に踏み切っています。ちょうどこの年、プレミアリーグと新たに6年契約を結んでいます。放映権料の高騰という要因は当然ありますし、もともといつかは有料化しないと成立しないビジネスモデルです。
今年に入って、Optus Sportが売却されるという報道が出てきました。その際に相手として名前があがっていたのがNine Entertainmentです。今回のサブライセンス契約をきっかけに、売却話が再燃しそうです。その場合、サブライセンスからさらに発展して、完全買い取りに進む可能性があります。
オーストラリアでもスポーツコンテンツの競争は進んでいます。今年に入ってDAZNがFoxtelを買収しました。また、ディズニーもDisney+を通じて傘下のESPNのコンテンツを配信するようになっています。
イギリスでも、プレミアリーグの放映権を持つBT Sportが撤退し、WBD傘下のTNT Sportsに生まれ変わっています。BTもOptusと同じく通信会社大手です。通信会社が、自らの回線契約を獲得するためにスポーツコンテンツを目玉にするという動きは世界各国で進められてきましたが、ある程度の普及率を達成した段階では、コストの高いスポーツがむしろ利益を圧迫する構図となっています。
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