F1とAppleの交渉は最終ターンへ。

アメリカ国内における来シーズンからのF1放映権獲得をめざしているとされるAppleですが、経済メディア「Business Insider」が報じたところによると、交渉は大詰めに入っており、Appleの「準備が整っている」と表現しています。

Appleの提示額は年間1.5億ドルと推定されており、現在ESPNが支払っている金額(7,500~9,000万ドルと推定)から倍近くにはね上がります。最大の競合相手と目されてきたNetflixですが、そこまで積極的には見えなかったと記事には記されています。


Appleにとっては巨額の投資となります。現在、アメリカ国内における「Apple TV+」の普及率は10%強とされ、ストリーミングの競争では後れをとっています。ESPNとは比べ物になりません。逆に、F1にとっては収入が増えるかわりに露出が大幅に減るリスクを負うことになります。

Appleがスポーツの権利を獲得するのはMLB・MLSに次いで3件目となります。MLBはApple TV+の基本料金内で提供しています。MLSは一部試合を基本料金内で配信し、全試合が見られるオプションを別途提供するという形をとっていますが、F1はどちらになるでしょうか。


テレビからストリーミングへの移行ということで、F1が公式に提供している「F1 TV Pro」との兼ね合いも気になるところです。アメリカではすでにF1 TV Proが視聴できるのですが、テレビのESPNとの共存という建前は崩れ、ガチンコでの競合となってしまいます。


「Sports Business Journal」の報道によると、F1関係者はF1 TV Proの提供を続けたい意向であり、Apple TV+と統合するといったアイデアを否定しているとのこと。ただ、Appleとしてはこれだけの札束を積んでいる以上、なんとかしたいところでしょう。

ESPNはディズニー傘下であり、同じ傘下である地上波のABCを通じて年間5レースを無料放送してきました(マイアミ・カナダ・モナコ・メキシコ・アメリカGP)。Appleが権利を獲得した場合、テレビ局へのサブライセンスの可能性は薄いと考えられます。もし無料で視聴できる機会があるとすれば、それはApple TV+内での開放となるでしょう。

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