【続報】ABEMAのブンデス配信、DAZNと別契約か。

昨日、速報としてABEMAもブンデスリーガの放映権を獲得したことを取り上げましたが、ABEMAのプレスリリースを読む限りでは、この契約がDAZNからのサブライセンスなのか、それとも別の契約なのかがはっきりしていませんでした。


その後、ブンデスリーガからも公式な発表があり、それを読む限りではBundesliga Internationalが契約の主体となっていますので、DAZNとは別々の契約であるものと推定されます。DAZNは3年契約ですが、ABEMAの契約期間は記載されていません。

この発表では、FTA(free-to-air)という言葉が強調されており、ABEMAが無料で配信することが重要な要素であったことが分かります。もしかしたら、無料と有料で権利を切り分けているかもしれません。本国ドイツでは無料放送(配信)向けのパッケージも存在していますので、それに類する契約と考えられます。


そうなると、逆にDAZNでは無料配信ができないということになります。先日ABEMAから出されたプレスリリースでは「ABEMA de DAZN」の無料配信の対象にブンデスリーガがありませんでしたが、その理由がだいぶ見えてきた気がします。

ABEMAの配信予定にもすでに開幕節のカードが表示され始めており、同じカードがABEMAとDAZNの2通りで表示されていることも確認できます。そうなると、それぞれの中継でコメンタリー陣が異なるかもしれません。その場合、DAZNの契約者にとっては選択肢ができることになります。


ひとつ種明かし的なことを書きます。最初にDAZNとの契約を報じたSportBusinessの記事なのですが、当初は読めなかった部分が読めるようになっており、その中にこんな記述があります。

It is understood that while DAZN has rights to all matches, its deal is non-exclusive, with additional broadcast agreements for the league in Japan likely to be announced next week.


すなわち、DAZNとの契約は非独占であり、来週にも追加の契約が発表される見込みだと書いてあります。実際には翌々週の発表となりましたが、サブライセンスではなさそうだということがすでに示されていたわけです。

残る謎としては、DAZNとABEMAが協調してブンデスリーガと交渉していたかどうかです。今回の発表は、形としては昨年開催されたEUROの放映権に類似しています。先にWOWOWが有料放送の契約を発表し、その後ABEMAが無料配信の契約を発表しました。これもどうやらサブライセンスではなさそうなのですが、両社が協調していたのかどうかがさっぱり分かりません。


開幕ぎりぎりまで発表がずれ込んだことも共通しています。もしかしたら直前までごちゃごちゃしたやり取りがあったのでは・・・と考えることもできます。協調しての購入であれば、両社が同時にプレスリリースを出せばよいのですから、このタイムラグが気になります。

そして「なぜU-NEXTではなかったのか」というのも謎として残るでしょう。ブンデスリーガ側が無料配信による露出増に期待しており、ABEMAとの交渉を優先していたというのであれば、いちおう辻褄は合いそうです。U-NEXTはおそらく独占契約を望んでいたでしょうから。


あとは、単純にU-NEXT側にリソースが足りなかったという面もあるかもしれません。本来ならばプレミアリーグの放映権は2025-26シーズンから始まるはずでしたが、SPOTV NOWの撤退によって1年早まりました。現場が相当混乱していたことが窺えます。

また、昨シーズンはSPOTV NOWの権利を引き継いだので、放映権料も据え置きだったと推定されます。今シーズンからは本来の契約であり、一説には従来から倍増するとも言われています。U-NEXTの決算発表によるとサッカーパックは黒字だとのことですが、今シーズンも黒字になる保証はありません。


エールディヴィジは追加できましたが、人的にも金銭的にもリソースが確保できず、ブンデスリーガにまで手が回らなかった・・・というシナリオは充分考えられるかと思います。まぁ、完全なる妄想モードではありますが。

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