愛知アジア大会、トヨタと契約も波乱含みか。

トヨタ自動車は、2026年に愛知県で開催されるアジア大会、およびアジアパラ大会のスポンサー契約を発表しました。最上級のカテゴリーである「プレステージパートナー」の契約です。


金額は22億円と報じられていますが、その中には車両や宿泊施設の提供といったいわゆる現物支給(VIK=Value in Kind)も含まれています。


現時点でプレステージパートナーの契約を結んでいるのはトヨタを含めて4社となりました。JR東海、中部電力、そしてフランスのイベント運営会社・GL Eventsが名を連ねています。

このGL Eventsという会社ですが、別のところで話題になっています。大阪万博のパビリオン建設費の未払い問題で、元請け業者として名前があがっているのです。海外の業者と地元の建設会社が契約するとなると、いろいろ大変であろうことは想像できますが、不安を感じさせる出来事であることは確かです。

電通が東京五輪で起こした汚職事件は国際的なイベントに多大な影響を与えており、大阪万博もそのひとつです。世界陸上は電通を使わずにスポンサーを集めたことは先にも触れました。アジア大会も当初は電通が担当する予定だったのですが、汚職発覚により辞退しています。


組織委員会は新たにマーケティングを担当する代理店を募集し、名古屋に本社を置く「新東通信」など4社が選定されました。組織委員会のWebサイトを見る限りでは、プロセスの透明化に努めていることがよく分かりますが、現時点で決定しているのが地元系企業3社とGL Eventsというのはちょっと心配なので、今後の活動に期待したいところです。

国際映像の制作を担当する、ホストブロードキャスターの選定でもちょっとした混乱が起こっています。当初落札したのは「ISBHAO」という、スペインと中国企業による共同体だったのですが、提出を求めていた一部の書類が届かないなど、確実に業務が実施される見通しが立たなくなったため、契約が解除されたのです。


再入札のうえ、今度は「中国のメディアグループなどの共同体」が落札したと報じられています。まだ具体的な名前は出ていません。9月3日に行われた理事会の議事録が公開されていますが、当該箇所は割愛されています。

https://www.aichi-nagoya2026.org/files/common/20221222%E5%A4%A7%E4%BC%9A%E9%80%9A%E4%BF%A1/20250728%20%E7%90%86%E4%BA%8B%E4%BC%9A/%E8%AD%B0%E4%BA%8B%E9%8C%B2%E7%AD%89%EF%BC%88%E7%AC%AC48%E5%9B%9E%E7%90%86%E4%BA%8B%E4%BC%9A%EF%BC%89.pdf


落札額は46億円とされていますが、実は最初の落札額は26億円であり、倍増していたりします。もちろん減るよりはいいのですが、どうして?という印象は拭えません。

https://www.aichi-nagoya2026.org/assets/file/committee/conference/director/46_siryo_addition.pdf

話を最初のトヨタに戻しますが、スポンサー契約とともに、大会の映像の配信権を獲得したと報じられています。自社媒体の「トヨタイムズ」などで利用するものと思われます。トヨタは昨年IOCの「TOPパートナー」から撤退しており、アスリートへの支援体制を見直すとしています。トヨタイムズを活用できることは大事な条件と言ってよいでしょう。


放映権についてはまだ決まっていません。前回のアジア大会はTBSで放送され、U-NEXTでライブ配信が行われましたが、今回もそうなるのか。せっかくの地元開催なので、もっと広い形での中継があっていいと思いますし、トヨタが一部ライブ配信なんてことになると大変面白くなるのですが。

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