【検証】ドジャース、大谷翔平の7億ドルを1年で回収?

今年もワールドシリーズ進出を決めたドジャース。リーグチャンピオンシップでの大谷翔平選手の活躍はすさまじいものがありました。そんな中でこのような記事が。大谷選手の契約は10年間で総額7億ドル(約1,050億円)というとんでもない金額ですが、ドジャースはたった1年でこの投資をすべて回収したというのです。


なお、この金額のうち98%は後払いとなっており、契約が満了する2034年以降、10年間にわたって分割で支払われることを付け加えておきます。

この話の元ネタは、スポーツジャーナリスト・Joon Lee氏です。この方の話は以前にも取り上げたことがありました。ヘビーなスポーツファンはサブスクなどに年間70万円を費やしている、というものです。検証したところ、放送やストリーミング以外の費用も計上されていたので、若干盛っている感はありました。

https://x.com/joonlee/status/1979384477039116535

Lee氏は自らのYouTubeチャンネルで、この内容について説明しています。まず、ドジャースの昨年(2024年)の売上高が7.35億ドル(約1,100億円)であったことに触れています。ただ、この数字は表面的なもので、日本における大谷選手のフィーバーぶりを考慮すると、まだまだ過小評価されているのではとも述べています。

https://youtube.com/shorts/h98EbdM4wa4?si=QDARLJdGQPl93mUt


もちろん、日本のスポンサーや観光客などがドジャースにもたらす経済効果は相当なものですが、そのすべてがドジャースに入るものではありません。なので、若干趣旨がずれているような感も見受けられます。今後売上がさらに伸びることが約束されていたとしても、いまの売上はいまの売上です。


当ブログとしては放映権の話にも触れないわけにはいきません。日本のテレビ局が購入している放映権は「海外向け」のものであり、MLBが全球団を一括管理しています。日本からの放映権料はMLBに支払われ、そこから各球団に分配されるため、ドジャースに全額入るわけではありません。

経済効果という点では、もはや毎年恒例となっていますが、関西大学の宮本勝浩名誉教授が試算した1,302億円という数字が今年も公表されています。昨年は1,168億円ですから、さらに1割以上増加しました。


経済効果というのは、直接そのスポーツやイベントに対して支払われた金額だけでなく、例えば大谷選手のスポンサー企業の商品を新たに購入したり、また周辺の雇用が増えたりといった二次・三次効果を含めて計算したものです。これについてはきちんとした計算方法が存在するものですが、あまり数字に踊らされないこともまた大切なことです。

【お知らせ】現在コメント機能が使えない状態です。感想・意見・誤情報のツッコミ等ございましたら、筆者のX(旧Twitter)までお願い致します。 @flower_highway

0コメント

  • 1000 / 1000