WBDが売却へ。Netflixも関心か?

WBD(ワーナーブラザーズ・ディスカバリー)は、複数の関係者から買収提案を受け取っており、前向きに検討していることを明らかにしました。すでにParamountとの交渉が報じられていますが、他社にも門戸を開く形です。

他の候補としてあがっているのが、ComcastとNetflixです。どこと統合しても、エンターテインメント業界において最大級のM&Aとなります。スポーツの文脈においても、WBD傘下のTNT Sportsが持つ放映権は注目の的です。とくにParamount傘下のCBSは、WBDとともに「マーチ・マッドネス」(NCAAバスケットボール)の放映権をシェアする関係です。


Comcast傘下のNBCは今シーズンからNBAの放映権を獲得しましたが、一方でWBDは権利を失っています。Comcastと統合しても、スポーツ的にはさほど美味しくないかもしれません。

Netflixは、これまでオリジナルコンテンツにこだわる路線を貫いてきただけに、メジャーな映画制作会社でもあるWBDに興味を示したのはやや意外でもあります。ただ、スポーツ界では最近になって外部の放映権を獲得しにいくようになりましたので、姿勢の変化はありそうです。


Netflixは自ら制作した映画を、短期で劇場公開することによってアカデミー賞のノミネート資格を得るという手法をとってきました。2023年には『西部戦線異状なし』が国際長編映画賞など4部門を獲得しています。WBDを獲得すれば、ワーナーの映画配給ルートを使用することができますので、念願の最優秀作品賞にも手が届きやすくなりそうです。

問題は、WBDが会社を分割する計画を進めていることです。「ストリーミング&スタジオ」と「グローバルネットワークス」に分かれるのですが、WBDとしては片方だけでも買収提案を検討するとしています。


映画制作部門は前者の「ストリーミング&スタジオ」、TNTなどのスポーツを含む有料チャンネルは後者の「グローバルネットワークス」に属すことになりますが、やはり欲しいのは前者ということになりそうです。

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