小林至教授が語る「セ・リーグTV」ができない理由

桜美林大学・小林至教授のYouTubeチャンネル「小林至のマネーボール」に最近アップされた動画では、【球界七不思議】と題して、なぜ「セ・リーグTV」が作れないかの理由を語っています。


改めて説明する必要もないかとは思いますが、小林教授は東大卒からプロ野球選手(ロッテ)となった異色の経歴の持ち主で、その後ソフトバンクのフロントに入り、「パ・リーグTV」を運営するPLM社(パシフィックリーグ・マーケティング)の設立に加わっています。


ですから、当の関係者が自ら語っているわけで、一級品の資料と言ってよいかと思います。内容的にも素人の私からみて文句のつけようがございません。

今回の動画で貴重だと思ったのが、パ・リーグ側はこれまでもセ・リーグ側に呼びかけを行ってきたということでした。今後、さらにPLM社のビジネスが大きくなっていけば、さすがのセ・リーグ側も折れる日が来るかも・・・とちょこっと期待させられますが、ただご存知の通り、この問題は大手メディアの資本が入ったグループに大きく関係するものであり、これはプロ野球創立からの歴史を否定しかねないものです。簡単に進むわけもありません。


どうしても、この手の話題になるとDAZNと唯一契約していない広島カープのことが話題になってしまうのですが、DAZNと広島はあくまで個別の取引であり、契約するかしないかは別に自由なのです。それよりもやるべきことは放映権の一括管理であることは言うまでもなく、一括管理ができれば、個別交渉も必要なくなります。


なお、PLM社も一括管理しているのはインターネット配信の権利と海外向けの権利であり、テレビ向けは引き続き球団による個別管理であることは書いておく必要があるでしょう。また、MLBもローカル向けの権利は球団個別管理です。

ただ、明るい兆しがないわれでもありません。日本シリーズの期間にテスト運用されたアプリ「NPB+」はなかなか好評だったようです。NPB、ソニー、コナミの3社共同で開発されたこのアプリは、12球団とオイシックス・くふうハヤテも参加しています。


データに著作性が認められるのかといった議論は今後出てくるかと思いますが、試合映像以外の権利であれば、このようにNPBがまとまって動けることを示したアプリと言ってよいかと思います。来年はオープン戦から再始動が予定されており、今後の発展が期待されます。

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