DAZN、JリーグにL字広告導入。欧州CLも検討か?

DAZNのJリーグ中継で、試合中に挿入される「L字広告」が導入されていたとのこと。以下に紹介する記事では、サッポロビールの広告が流れているのを確認できます。


サッカーは試合中にCMを入れることが難しいため、こういった試みは以前から行われてきました。Jリーグの草創期にも画面の一部に広告を入れたケースがありましたが、その後すっかり鳴りを潜めていました。ある意味、懐かしいものが復活したとも言えます。

もっとも、DAZNがL字広告を入れたのはこれが最初ではありません。昨年9月に配信されたワールドカップ・アジア最終予選では、クレディセゾンの広告事例が取り上げられています。この例では、ボールが外に出てスローインで再開するまでのタイミングを狙って広告が挿入されており、なるべく試合の流れを阻害しないよう、いちおう配慮がなされています。

さらにさかのぼると、2022年10月に行われたラ・リーガの「クラシコ」でも試合中にCMが流されています。画面を左右に2分割し、片方にCMを流すというものです。


スポンサーはNetflixで、バルサからレアルへの禁断の移籍を実行したルイス・フィーゴ選手のドキュメンタリー「フィーゴ事件」のCMが流されました。まさに試合内容にぴったりのコンテンツだったわけですが、これもまた「禁断」のCMだったと言えます。

これはDAZNの日本国内における事例ですが、今年6月のFIFAクラブワールドカップではグローバルを対象に展開されました。いわゆるL字広告は、英語だと"squeeze back"という商品になります。また、画面を2分割する広告も"two-box format"という商品として導入されました。すなわち、日本市場はこれらの実験台になっていたと考えてもよいでしょう。

他社でもL字広告を導入した事例はあります。ABEMAは2023年から「ABEMA Live Screen Ad」という商品名でL字広告を販売しています。MLB中継でも表示されていますし、すでに権利は失いましたがプレミアリーグ中継でも販売したとのことです。


ABEMAによると、L字広告について触れたコメントのうち94%がポジティブまたはニュートラルだったとしています。裏返せばネガティブは6%だったことになります。もちろん、ABEMAは無料配信なので、有料のDAZNと比べれば受容されやすいことは確かでしょう。


「有料なのに広告」と抵抗する声が多いのも事実ですが、日本でもABEMAやNetflix、そしてAmazonといったストリーミングが広告付きプランを続々と導入しています。「お金を払えば広告を消せる」というのは、無料のテレビに対抗するために作られた一時的なイメージにすぎなかったというわけです。高騰の一途をたどる放映権料をまかなうために、そしてスポンサーは多くの人に見てもらうために、今後も試合中に流れる広告は増えるでしょう。

最後にちょっと気になる情報も載せておきます。「SportBusiness」によると、UEFAチャンピオンズリーグやラグビーのシックスネーションズが、L字広告の導入を計画しているというのです。

UCL, Six Nations set to introduce ‘L-Frame’ ads (SportBusiness)


残念ながら有料記事のため詳細はわからないのですが、欧州CLについては、次の放映権サイクルが始まる2027-28シーズン以降の導入が契約されています。おそらく、現在入札が進められている新たなパッケージ「Global First Pick」にも関係しているのでしょう。

欧州CLのスポンサー関連では、バドワイザーがハイネケンに取って代わると報じられています。他にも何社か入れ替わりが発生しそうです。グローバルを対象に、グローバルスポンサーの広告が配信されることになると考えられます。

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