W杯で沈黙続くドコモ。DAZNとの関係は? 百年構想リーグは?

先日の報道により、来年のFIFAワールドカップの放映権はDAZNが全試合を獲得。テレビではNHK・日本テレビ・フジテレビの獲得が発表されましたが、以前の報道で名前があがっていたドコモについては沈黙が続いています。


最初に報じたスポニチではドコモとDAZNが放映権料を折半し、LeminoとDAZNでそれぞれ52試合が配信する方向だと書かれていました。もしこのままDAZN単独での配信となれば、単純にDAZNの負担が倍になるのですが、果たしてそこまでの余裕はあるのでしょうか。


スポニチがガセネタをつかまされたと考えることもできますが、他社も追随していたことを考えると、報道のあとに方針転換があったとみるのが妥当に思われます。

ただ、ドコモが完全に手を引いたとも言えません。ドコモとDAZNは協業関係にあり、料金プラン「ドコモMAX」にはDAZNがついてきます。ドコモMAXの契約者が増えれば、それだけドコモからDAZNに手数料が支払われることになります。


なので、ドコモがDAZNへの支援を拡大することを前提として、自ら放映権を獲得することからは一歩引いたのでは・・・とみたいところです。そして、ドコモはスポーツコンテンツへの関与のあり方を見直す方向になるものと推定します。


今シーズンから楽天に代わって放映権を獲得したNBAですが、割引キャンペーンが始まっているとの情報を頂きました。来年3月までの期間限定ではありますが、一般ユーザーは月額2,728→1,628円、「ahamo」契約者は1,078→550円となります。


正直早いのでは・・・と思いますが、契約数が目標に届いてないのでしょうか。今後も不調が続くのであれば、DAZNにサブライセンスを出すという選択肢もありかと思います。

12/27に開催される井上尚弥選手らが出場の「NIGHT OF THE SAMURAI」は、当初ドコモが独占配信すると発表されましたが、DAZNでもPPVを販売する方針に切り替わっています。DAZNでの購入者は、DAZNのプラットフォームで視聴することになります。


サーバの負荷を分散させるためといった理由は考えられるものの、事実上独占ではなくなったと言ってよいかと思います。ドコモは引き続き「独占」と謳ってはいますが、これもまたDAZNに便宜をはかったのではないかと思われます。

ワールドカップは巨額な投資ですが、月額ベースのサブスクにとってはせいぜい2か月分の収入しか得られません。そのため、大会前後の連携も大事な施策となってきます。


DAZNはJリーグ、そして欧州5大リーグのうちプレミアを除く4つを保有しており、また「FIFA+」の統合を予定するなど着々と準備を整えていますが、投資に見合うだけのインパクトのある施策がもう少し必要な気もします。


その点において、まず注目したいのが来年2月に開幕する「Jリーグ 百年構想リーグ」です。いわゆる秋春制への移行に向けて行われる大会ですが、この大会の放映権についてはまだ明らかになっていません。Jリーグは年内にも放送・配信予定を発表する予定です。


  • 百年構想リーグはJ1のみの大会と、J2・J3合同の大会に分かれて開催される
  • J3は今年DAZNとLeminoで配信されたが、両社とも今年限りで契約が切れる
  • DAZNはJ1・J2の放映権を2033年まで保有しているが、この大会が含まれているかは定かでない


という事情があり、とくにJ3(のホームゲーム)の扱いについてはどうなるか分かりません。すでにこの大会を含めた1.5年分の視聴パスが販売されているので、DAZNで配信されることは確かなのですが、J3は無料配信だっただけに、もし来年から有料となると不満の声も大きくなるでしょう。


大胆な仮説ですが、ドコモがこの大会に限定して放映権を獲得し、DAZNとシェアするといった可能性もないとは言えません。ワールドカップの放映権料は350億円程度と推定されており、DAZNが半分を負担するとすれば175億円です。ドコモが引いた分はさらに半分の87.5億円となりますが、百年構想リーグの放映権料は最大で100億円程度なので、この分を補えることになります。

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