韓国、冬季五輪に続きW杯もJTBC独占か。

韓国で、FIFAワールドカップの独占放映権を獲得した有料放送局のJTBCと、地上波3局とのサブライセンス交渉が暗礁に乗り上げていると報じられています。


韓国にも「普遍的視聴権」という名前でユニバーサル・アクセス権が定義されています。先日のWBCでは、日本は地上波での放送がないのに韓国ではあったと引き合いに出されていましたが、今度は韓国の地上波放送がなくなる番です。

といっても、この問題はすでに2月のミラノ・コルティナ五輪で発生していました。JTBCは、五輪とワールドカップというスポーツにおける世界的イベントの「両取り」に成功したのです。地上波とのサブライセンス交渉が成立しなかったのも同じです。


韓国の「普遍的視聴権」は、90%以上の世帯で視聴できることが条件となっています(WBCは75%)。JTBCは有料チャンネルですが、韓国はCATVの普及率が高いこともあり、衛星放送もあわせると90%をクリアしていると主張しています。

JTBCが放送したミラノ・コルティナ五輪の視聴率は低迷しました。開会式の視聴率は1.8%と、前回北京大会の1/10にまで落ち込んだとのこと。もちろん時差の影響も大きいとはいえ、国民的な関心が薄れたことは確かです。「史上最も無視されたオリンピック」だとの批判もあがっています。

JTBCは、交渉の過程で今回のワールドカップの放映権料が1.25億ドル(約200億円)だったと公表しています。日本は300~350億円程度と推定されていますが、人口を考えるとかなり高い値段です。前回2022年大会は1.03億ドルであり、約20%の増加となりました。


地上波3局(KBS・MBC・SBS)に対しては、サブライセンス料として放映権料の1/6、合計だと半分を要求していると報じられていますが、拒否されたとのことです。

こうした動きを受けて、政府が介入する可能性も取り沙汰されています。ただ、趣旨はどうあれ、メディアに対する規制ですから極めて慎重に検討する必要があるでしょう。


介入する場合、公共放送であるKBSが前面に出てくることになりそうですが、収入の一部を受信料でまかなっているだけに、JTBCのビジネスの失敗を受信料で尻拭いするのはいかがなものか、という意見も出ています。これは今後日本でも確実に出てくる論点です。

韓国政府は、普遍的視聴権の見直しを提言する報告書を出しています。放送局には無料で視聴できることを義務付けるほか、対象となるスポーツにパラリンピックや女子競技を加えるといった案が出ています。ただ、6月のワールドカップに間に合うかと言われると難しいです。


日本でも今後ユニバーサル・アクセス権の議論が深まることが期待されますが、お隣の国の事例をよく注視しておくことが大切です。

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