アイリスオーヤマ、J2仙台の筆頭株主に
取り上げるのが少々遅れてしまい申し訳ないのですが、仙台市に本社を置くアイリスオーヤマが、地元のベガルタ仙台の筆頭株主になることが発表されています。まずは1/3以上の株式を獲得し、今後は過半数の獲得を予定しているとのことです。
ベガルタ仙台といえば、先日NHKでドキュメンタリードラマ『あの試合~3.11 再生のスタジアム~』が放送されました。JリーグのYouTubeチャンネルで全編が公開されていますので、ぜひご覧ください。3.11の震災のあと、再開されたJリーグ。仙台にとって最初の試合となった等々力でのvs.川崎戦までの出来事が描かれています。
このドラマでも描かれていましたが(31分あたりを参照)、ベガルタは宮城県と仙台市が株式の約48%を保有しています。特定の親会社をもたない、いわゆる「市民球団」です。地元自治体から出資を受けること自体はとくに珍しくありませんが、48%という比率は、このドラマでも「ほかから見れば異常な状態」というコメントが使われています。
一方で、その状態だったからこそ「行政を使えるのは我々の強み」だというコメントも使われています。未曽有の大災害の渦中にあっても、クラブと行政の連携は失われませんでした。地域密着こそが市民球団の最大のメリットです。
もちろん市民球団のデメリットもあります。責任の所在が曖昧になりやすいこと、親会社の資金投入がないため、経営基盤が脆弱なことなどです。ベガルタにおいても赤字が続き、2008年には累積赤字を解消するために減資が行われました。
この際、宮城県と仙台市は計9億円の出資金を失っています。もともと戻ってくる性質のお金ではありませんが、今回株式を売却することである程度取り戻せるかもしれません。具体的な金額は発表されていませんが、今後情報が出てくることを期待します。
市民球団という形態は、ある意味地域社会にとっての理想ではあるのですが、現実も同時に突き付けられます。プロ野球でも広島カープが味わってきた苦労の歴史を忘れることはできません。かつてはチーム存続のために「樽募金」が行われたこともあります。
市民球団の限界を突破するには、やはり責任会社が必要だというのは世の中の流れなのでしょう。できれば地元企業が名乗りをあげてくれるのがベターであり、今回のケースはかなり恵まれたものと言えます。
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