ユニバーサル・アクセス権、FIFA幹部は反対か
ワールドカップ開幕でニュースがたて込んでしまい、紹介が遅れてしまいました。6月10日にスポーツ庁と総務省による「スポーツを観る機会の確保及びスポーツ放映に関する検討会」の第2回会合が開催されています。
第1回ではJOCとNPBの関係者が出席しましたが、第2回ではNHKと民放連が出席しました。内容的には海外のユニバーサル・アクセス権の事例紹介などが中心で、新しい情報はほとんどなかったと言ってよいかと思います。
配布資料はスポーツ庁のWebサイトに公開されていますが、守秘義務が多いだけに、すべてが公開されているわけではありません。また、議事録も公開されていません。
ただ、次回は面白くなるかもしれません。配信事業者から意見を聴取する予定であり、DAZN・Amazon・Netflixあたりの関係者が出席することが期待されます。
さて、6月9日の日経新聞によると、FIFAで放映権を統括しているジャンクリストフ・プティ氏の発言が取り上げられており、日本でのユニバーサル・アクセス権の導入について「反対を表明」したとのこと。
残念ながら有料記事のため、詳しい中身は分からないのですが、この発言の真意はどこにあるのでしょうか。
かつて、FIFAはUEFAとともに、イギリスなどのユニバーサル・アクセス権についてECJ(欧州司法裁判所)に提訴したことがあります。2013年、ECJは政府の裁量権を認め、FIFA/UEFA側の敗訴となりました。ユニバーサル・アクセス権自体はヨーロッパ的な思想ではあるのですが、当の権利団体としてはやはり面白くない部分があります。
https://www.ebu.ch/news/2013/07/ecj-confirms-member-states-wide
その一方で、FIFAはワールドカップの放映権販売にあたって、一部試合の無料放送を義務付けているとされます。明文化されたものはありませんが、実際の契約内容をみると、少なくとも開幕戦・決勝戦・出場国の試合については無料になっています。普及と商売のバランスをどうするか。その線引きを政府ではなくFIFA自らがやりたいのでしょう。
以下の記事では、DAZNがワールドカップを「独占しなかった」という記述になっていますが、実際のところしたくてもできない、と言ったほうが正しそうです。
読売新聞は、JFAで放映権を管理する窪田俊彦氏へのインタビューを掲載しています。日本代表戦については、今後も「いつでも、どこでも、誰でも」見ることができる環境が必要だとし、無料での放送にこだわる姿勢を示しています。
Netflixとは違い、スポーツ専門のDAZNにとって「囲い込み」は決してプラスにはなりません。ワールドカップの放映権はFIFAなのでJFAとは直接関係ないものの、もちろんJFAとの協調は必要です。そして、FIFAとJFAの代理店である電通の仕切りも重視されます。
0コメント