DAZN、新規契約のUIで炎上→謝罪

※昨日夜、DAZNより謝罪文が公表されました。本稿はその前に執筆されたものであることをあらかじめご容赦ください。


ワールドカップに向けてDAZNが投入した「DAZN SOCCER」プランについて、年間契約が必須のプランであるにも関わらず、通常の月額プランと見分けがつきにくいとして、批判の声があがっています。


DAZNに限った話ではありませんが、Webでは少しでもクリックや契約率を上げようとするテクニックがあふれています。消しにくい広告なんかは代表的な例です。筆者はそういうのをこれまで散々見てきましたし、当ブログを何年も続けているわけですから、その間に自分の感覚がすっかり麻痺していることを実感せざるを得ません。

「DAZN SOCCER」が年間契約のみであることは、当ブログの記事でもお伝えしました。「DAZN BASEBALL」プランも同様です。ですから、本来はDAZN BASEBALLの際にもっと批判の声があがってもよいような気がしました。爆弾は潜伏していたのです。


DAZNが出したプレスリリースや紹介記事にも、年間での契約のみであることや、年間の支払総額についての記述は存在していますので、いちおう説明はあるのですが、正直読まない人はいくらでもいます。申し込み画面で分かりやすく表示していない点は、当然責められて然るべきです。


さらに、問い合わせ対応で二次炎上を招いたことも記しておかねばなりません。ユーザーサポートにコストを割かないのはいかにも外資なんですよね。

もちろん、ワールドカップ獲得のインパクトがそれだけ大きいことの裏返しでもあります。従来DAZNに関心を示さなかった人たちがふらっとサービスを訪れ、契約してくれるのはもちろんいいことですが、そこで誤認が生じ、不満を溜めるというのは当然よくありません。


そして、SNSに不満の声が流れると、それに同調するのはすでにDAZNに対して不満を持っている既存ユーザーです。それは、これまで10年間にわたって積み上がってきたいわば「積年の恨み」です。一度ついたマイナスイメージは、それこそ一生忘れないものです。

DAZN Japanの笹本裕CEOは、今回のワールドカップへの巨額投資をどう評価するかという質問に対し、LTV(Live Time Value)であると答えています。真剣にLTVの向上を考えるのであれば、目先の数字だけにとらわれてはいけないことは言うまでもないでしょう。


「ソーシャルでどれだけDAZNがW杯と関連づけた会話を促しているかをまず見る。フリーミアム(無料会員)から有料会員へのコンバージョンすることでLTVを上げ、最終的にW杯閉幕後のチャーン(解約率)をどれだけ抑えられるか。それが重要だ」


笹本CEOが就任してから2年余り。その間は値上げを実施していませんし、Japan単体での黒字化も達成するなど、着実に成果をあげていることも事実です。しかし、消費者はそうみてくれません。これまでに溜まった膿を背負い、向き合っていかねばなりません。


UIの仕様は世界共通です。この問題は決してJapan単体のものではないでしょう。Japanが成果をあげれば、本社に対する発言力も強くなります。批判から真摯に学び、むしろJapanからグローバルを変えていくくらい姿勢であってほしいものです。

さて、海外のDAZNにも「年間縛り」的なプランは存在します。イタリアでは昨年「MyClubPass」というプランが登場しました。セリエAのお気に入りのチームの試合に絞り込んだプランです。日本でも同様のプランを期待している人も多いかと思います。


日本から海外のDAZNを見ることはできませんが、現地の記事などを見る限りでは、一括払いか分割払いかを選択できるようです。今回のDAZN SOCCERはそもそも一括払いが存在しておらず、支払総額が分かりにくい状態でしたので、それよりはマシでしょう。

結局のところ、MyClubPassは好評ではなかったようです。年間縛りですから、オフシーズンのあいだも料金を支払う必要がある一方で、たいした値引きになっていないというのが主な理由でした。


日本でDAZN SOCCERを投入する際、この知見は当然入っているはずです。ワールドカップの獲得によってオフシーズンがほぼなくなったので、批判要素のひとつは消えたとも言えます。DAZN BASEBALLは順調に伸びているとも聞きますので、サッカーでもいけるという判断を下したのもまぁ理解はできます。


DAZN BASEBALLも一括払いを用意しておらず、DAZN SOCCERも必然的に用意しなかったのですが、そこがなかったのかは疑問です。シンプルにしたいのも、インパクトを出したいのも理解できますが、その過程でなにか大事なことを置き忘れてしまったように見受けられます。

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