DAZN、PBCと契約。ボクシング界はズッファと二分へ

DAZNは、PBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)との契約を発表しました。7月26日にシドニーで開催される、エロール・スペンスJr. vs. ティム・チュー戦が最初の配信対象となります。

PBCは、2023年に有料チャンネルのShowtimeがボクシングから撤退したことで契約を失い、代わりにAmazonと契約を結びました。しかし、有力選手を集めることに苦戦し、PPV興行の数も減りました。経営危機を報じるメディアもありました。


日本もそうですが、アメリカのAmazonでもDAZNのコンテンツが配信されています。それを通じてPPVが視聴できるそうなので、アメリカのファンにとっては引き続きAmazonでも配信されることになります。

日本では、PBCの興行はWOWOWが放送してきました。7月26日の試合についてはWOWOWで引き続き放送され、DAZNでもPPV配信されることになっています。


DAZNはドコモと提携しており、そのドコモはWOWOWと先日資本提携を発表しました。井上尚弥選手の試合でも、放映権はドコモ(Lemino)ですが、DAZNでもPPV配信されたり、WOWOWでも後日録画放送されるといった、なかなか微妙な距離関係です。今後、さらなる接近がみられるのでしょうか。

DAZNは今年3月、トップランクとも契約しています。DAZNはもともとマッチルームとの合弁事業でボクシングに参入しましたが、その後はサウジとも接近し、大手・中堅プロモーターを続々と獲得してきました。


PBCはまさに「ラストピース」と言える存在です。トップランク所属の選手とPBC所属の選手の対戦がなかなか決まらない・・・といった事態は減りそうです。

DAZNの旗の下で一同団結したボクシング界に対抗するのが、UFC・WWEを傘下に持つTKOホールディングスが立ち上げた「ズッファ・ボクシング」です。


UFCのシステムをボクシングに移植し、独自のランキングと王者認定のシステムを持ちます。また、階級もUFCに合わせて大きく減らしました。アメリカでは(UFCと同じ)Paramount+と契約を結んでいます。


ただ、ズッファもまたサウジのイベント会社・Selaが深く関わっていますので、結局のところサウジ資本の手のひらで踊らされているというのが実情かもしれません。

「出し惜しみ」がなくなり、ファン垂涎のカードが増えるのはよいことですが、ズッファへの引き抜きを恐れるあまり、売り時を誤って「出しすぎ」になってしまうとその後は焼け野原が待っています。


サウジマネーで一時的には潤っても、長期的に持続するものなのか。最近ではLIVゴルフが存続の危機に陥っていますが、いつ手のひらを返されてもおかしくありません。

井上尚弥選手の次戦の相手として名が上がっている「バム」ことジェシー・ロドリゲス選手は、もともと井上選手より2階級下のスーパーフライ級でした。6月の試合でバンタム級に上げてKO勝利。来年にはさらに階級を上げて井上選手に挑む計画です。


実力は誰もが認めるバム選手ですが、やはり急いでいる感は否めません。現在はマッチルームと契約していますが、ズッファからもオファーがあったとされています。ズッファはバンタム級が最軽量であり、軽量級が中心の日本のボクシング界にとっても脅威となってきそうです。


統一とはすなわち、新たな混沌の始まりなのか。ボクシングは新たな時代に突入しました。

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