メキシコ・リーガMXが昇降格を撤廃

メキシコのサッカーリーグ・リーガMXは、1部・2部リーグ間の昇降格を廃止する決定を下しました。1部の18クラブが今後固定となります。


昇降格を行わないリーグといえば、隣国アメリカのMLSが代表的ですが、この動きはアメリカにならったものと言えるでしょうか。

もともとリーガMXは昇降格が少ないリーグで、入れ替えは毎年1クラブのみ。降格クラブはその年の最下位ではなく、3年間の通算成績で決めていました。メキシコのクラブは大財閥の影響が強く、アメリカのようなクローズドリーグにしたいという意向よりは、彼らが自らの既得権を守りたい意向のほうが強いように思われます。


2020年に発生したコロナ禍をきっかけに、リーガMXはクラブの経営を守るという名目で昇降格を5年間凍結する決定を下しました。2部リーグへの補償として、1部の下位3クラブから「罰金」を徴収し、それを分配する制度が導入されましたが、この仕組みも今回の正式決定によって廃止されることになります。

大財閥の資本力によってクラブの資金力は確保されており、欧州などへの選手の流出も比較的少ないとされていますが、構造的な歪みを象徴的に示したのが、昨年のFIFAクラブワールドカップでした。


出場資格を得ていたクラブ・レオンとパチューカですが、この2クラブのオーナーが同一であることがFIFAの規定に抵触し、クラブ・レオンの資格が剥奪されたのです。そもそも同じカテゴリーに属してはいけないはずなのですが、公然と見逃されています。

そんなリーガMXも、隣国のMLSが成長を続けていることを見過ごすことはできません。ワールドカップの共同開催をきっかけに、アメリカ資本も目を付け始めています。


昨年には、ニューヨークを本拠とする投資会社、アポロ・グローバル・マネジメントの出資を受ける案が提示されました。一部のオーナーが反対していることから、まだ受け入れは決定していないそうですが、まずはガバナンスの改善をはかります。また、これにより、従来はクラブが個別に管理していた放映権も一括管理に移行する予定です。


今回の昇降格廃止も、アポロ側が出資する条件のひとつとなっている可能性があります。

ただ、昇格の可能性を絶たれた2部リーグのクラブはたまったものではありません。MLSもクローズドリーグではあるのですが、将来の拡張(エクスパンション)の余地を残しています。その一方で、リーガMXは拡張を考えておらず、2部リーグを若手選手の育成のためのリーグとして位置付けています。要するに「ファーム化」ですね。


脱法的な手段をとるクラブも現れました。2部のアトランテFCが、1部のマサトランFCを買収し、強引に1部への参加をもぎとったのです。マサトランFCは消滅することになりました。


クローズドリーグでは、オーナー交代がしばしば起こります。その際には球団名の変更や本拠地の移転も起こるわけですが、マサトランFCのサポーターから見れば悲劇でしかありません。

ワールドカップの共同開催を契機に、アメリカとメキシコをひとつの市場としてみる動きが強まっています。すでにカップ戦では、MLSとリーガMXが合同で「リーグスカップ」を開催しています。


では、将来的に両者が合併するシナリオはあるのでしょうか。以前にもそんな話が持ち上がったことはあるのですが、結局のところリーガMX側がそれを受け入れる体制になっていませんし、MLS側にも旨味がありません。ただ、一連の改革が効果をあげるならば、また話が再浮上することもあり得ます。

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