英Eleven Sports、失意の値下げ。

値上げのニュースの次は値下げのニュース。

最近日本にも上陸したEleven Sportsだが、イギリス・アイルランド向けサービスにおいて、3月から月額料金を1ポンド値下げした。イギリスでは4.99ポンド、アイルランドでは5.99ポンドが新たな料金となる。

※ちなみに両国のポンドのレートは英1に対して愛1.1くらい。

残念ながら、値下げの理由は後ろ向き。放映権料の高騰が著しいイギリスにおいて、Eleven Sportsの資金力ではもちろんプレミアリーグには手を出せず、かわりにラ・リーガやセリエAなど他国のリーグを主力商品としていた。

しかし、ラ・リーガの放映権を管理するIMGとの交渉が暗礁に乗り上げ、せっかく得ていた独占放映権を失うことに。3月からは有料放送局のPremier Sportsと、無料民放局のITVでも一部の試合が放送される。

さらにセリエAとオランダ・エールディビジに至っては2月末をもって配信自体が終了となってしまった。こちらも3月からPremier Sportsが放送する。付け加えると、昨年末の時点でUFCの放映権も失っている。


こういった事態が相次いでいること、さらにシーズン中にも関わらず放送局が移動したことは相当深刻だと言わざるを得ない。現在、英Eleven Sportsはラ・リーガと国王杯(コパ・デル・レイ)を押しまくる状態となってしまっている。

せめてもの救いは、事前にきちんと事情を説明したことと、Premier Sportsとの契約を希望するユーザーに対して割引クーポンを提供することか。日本だと放映権を獲得した側はもちろん発表するけど、失った側がきちんと発表することはあまりない。


Eleven SportsはDAZNと同じくイギリスの企業だけど、母国イギリスは市場規模のわりに放映権料が高すぎた。逆に言えばDAZNがイギリスでサービスを提供していないのは賢明な判断だとも言える。そして、Eleven Sportsは今後他国への拡大を急ぐ。とくにアジア市場に注目しているようで、日本もそのひとつに選ばれた次第。

こういう状況をみると、孫さんがスポナビライブをささっと見切ったのは正しい判断だったんでしょうね…。世界規模で展開しないとやっていけない。ソフトバンクは米スプリント社を買収しているとはいえ、いきなりアメリカで殴り合いをする意味もない。


ということで、今後も同様のことはどんどん起こっていきます。これは世界を巻き込んだ戦争なのです。

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