大河ドラマ『いだてん』第1部の感想

本日(4/7)の『いだてん』は統一地方選挙の速報のためお休み。ということで、先週まで放送されたストックホルム編について振り返ることとします。

視聴率の低さが話題になったり、大事な役どころの出演者が逮捕されたり、ドラマの内容と同じく波瀾万丈でありますが、面白いものは面白い。胸を張って言いましょう。
戦国時代と幕末以外はヒットしないと言われる大河ドラマにおいてあまりにも異質なチャレンジ。そもそもスポーツ史という学問は歴史学の中に存在しておらず、体育学の中で研究されてきた。
なので、多くの人が知っているであろう人物も出来事もほとんど出てこない。かくなる筆者も金栗四三という人物は、箱根駅伝のMVPに贈られる賞の名前として存じてはいたけど、実際にどんな人物だったのかは知らなかった。

もちろん資料はたくさんあるので、ドラマの中で描かれている事には史実が多数含まれる。クドカンは史実から逃げない。日本のスポーツ史に真摯に向き合い、時には残酷な部分も含めてきちんと脚本に組み込んでいる。

近代スポーツは時間に余裕のある上流階級のものだった。アマチュアリズムはそこから発生する。それがやがて庶民へと浸透し、プロフェッショナルへと変化していく。
日本においてはスポーツとは「体育」であった。初めてオリンピックに出場した二人はともに学生であった。
金栗氏は上流階級ではないけど、教員を養成する東京高等師範学校(高師)の学生であり、授業料は免除されていた。しかし、オリンピックへは自費参加となる。スポーツとカネの関係についてもこの時点から発生している。

高師の校長であり、講道館の創始者である嘉納治五郎先生と金栗氏らによって日本におけるスポーツの歴史が築かれるものの、それはやがて政治に組み込まれ、政治によって翻弄されることになる。このあたりは来週からの第2部で描かれることになるでしょう。

東京五輪のプロパガンダだと言う人もいる。逆に酷暑の中のマラソンが描かれていることから、東京五輪への警鐘だと言う人もいる。まぁ見方は人それぞれあっていいのだけど、歴史に対して真摯に向き合い、教訓を学びとる姿勢が求められる。そういう意味では視聴者にとって重いドラマではある。

現在の価値観から100年前の出来事を断罪しても意味がないし、100年前の価値観からいまを断罪するのもまた然り。大事なのはこれから何をするか、何ができるかだ。

ということで、なんかスケールの大きい話になってしまいましたが、純粋に楽しんでおります。また、当ブログにおいてもスポーツが持つ光と闇に向き合いながら、とくにビジネスについて楽しむ姿勢で続けていければと。あくまでも倒れない程度に、マイペースで。
何ができるか、ということでかつての高師、現在の筑波大学東京キャンパスに行ってきました。嘉納治五郎の生涯に関するパネルと、筑波大の学生やOBが近年のオリンピックであげた成績のパネルが置かれていました。

なんか筑波にも行ってみたくなりました…GWにでも検討しようかな。

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