DAZNの決算発表。700億円近い赤字でもまだ余裕?

旧パフォーム・グループ(現DAZNグループ)の2018年度決算が、日本で言うところの平成最後の日である4/30に発表されておりました。

さすがに財務諸表を(しかも英語で)読むには知識も時間もないので、ここではリンクを貼る程度にとどめておきます。資料はPDFでダウンロード可能です。

ただ、およそ4.8億ポンド(約670億円)の赤字が出たということは最初に書かれておりました。
SportsProさんによる記事も紹介しておきます。独自の取材内容も含まれている感じです。

ポイントとしては巨額の赤字にも関わらず、負債が大幅に削減されたこと。親会社にあたるアクセス・インダストリーズ社が約8.5億ドルを出資。さらに、電通イージス・ネットワーク社が約4億ドルを出資しています。
2011年に電通がイギリスのイージス・グループ社を買収したことで発足したこの企業は、電通グループの海外戦略を担う拠点として機能しています。電通恐るべし。

今年に入ってからは旧パフォーム・グループのB2B部門を分離、売却しており推定で10億ドル規模の現金を得たとされます。いったんキャッシュフローをきれいにしたうえで、改めて本業に注力といったところでしょうか。
決算書には各国の事業別売上も書いてありました。日本におけるOTT事業(すなわちDAZN)の売上は約1.08億ポンド(約150億円)で、前年から約2倍に成長しています。ただ、Jリーグの放映権料(10年2100億円)をペイできるレベルにすらまだ届いていません。

DAZN for docomoなどの割引があるため顧客単価が読みにくいのですが、かりに1200円程度と想定すると、会員数はのべ1200万、月平均で100万くらいという雑な見積もりです。
もちろん全体としては右肩上がりですし、また冬はどうしても解約が増えるでしょう。月平均が100万ならば、現在のMAXは150万以上になりそうですね。

なお、ドコモは昨年3月に会員数が100万人に到達したと発表しています。ドコモ経由で加入しているユーザーの割合は案外高いのかもしれません。 ただ、世の中にはドコモ以外のユーザーのほうが多いわけですから、より工夫が求められるところではあります。
今後5年間で支払う予定の放映権料は約43.6億ポンド(約6200億円)という強烈な数字も載っていました。もちろんこの数字自体も今後増えていくわけで、なんとも大変です。 
まぁ、あのAmazonはかつて累積赤字1兆円を達成したそうですから、この程度で驚いてもしょうがありません(^-^;

我々庶民にとっては天文学的数字のような金額ですが、これだけ大規模なビジネスモデルをデザインできる人は本当にすごいし、その達成を信じて多くの人たちが働いていることもすごい。

2022年頃に単年度での黒字転換をめざしているようですが、そのカギとなるのはやはり新規獲得につながる放映権の獲得。もちろん人気のある競技の放映権料は高くなるわけですから、そろそろ放映権料バブルには崩壊してもらわないといけません。

もっとも、DAZNもバブルを生み出している当事者の一員だとも言えますけどね…(^-^;

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