【速報】楽天、Jリーグを海外配信。「Rakuten Sports」開設。

うーん。なんだか面白くなってきましたね。こういう場合、まずやってみるのは関係者のプレスリリースを読み比べることです。

まずは楽天から。

楽天が開始した配信サービス「Rakuten Sports」。Jリーグだけではなく、今後はバスケットボールや卓球など、他のスポーツの配信も行っていく予定だというのがポイントでしょうか。


バスケだとやはりNBA?と思ってしまうけど、すでにNBAの放映権は多くの国に販売されているわけで、この状態で楽天が新規参入するのはなかなか難しい。となると…いろいろ想像が膨らみますね。これは卓球もしかり。


Jリーグの配信対象は約140か国ということだけど、これはすなわち現状で放映権が売れてない国についてバルクでまるっと購入したと考えるのが妥当。ならば、逆にどの国で売れたのか?という話になるのですが、これについてはJリーグのリリースに書いてあります。

いちばん下に海外での放送地域に関する記載があるのですが、正直あまり売れてないな…という印象。もちろん人口的に中国は大きいし、現在進めているアジア戦略に沿ってタイやマレーシアで販売できているのは評価すべきですが。


また、Rakuten Sportsの配信対象から外れている国にはいわゆるMENA(中東・北アフリカ)が多く含まれており、MENAといえばどうしてもBeIN Sportsという名前がちらつきます。このあたりにも売れてるといいんですがね。


楽天が放映権を購入したのはLagardère Sports(ラガルデールスポーツ)という会社。この名前は当ブログにも以前登場したことがあり、AFC(アジアサッカー連盟)の代理店をやっているところです。しかし、この契約は2020年に終了し、別の会社に移ることが決まっています。


また、Jリーグの放映権についても今年限りで終了。つまり、残り半年の時点で持て余していた権利をばばっと放出したことになります。

で、Lagardèreのリリースなのですが、内容的には楽天のものと大きくは変わりません。しかし、気になるのが"exclusive media rights distributor"という表現。


放映権絡みのニュースを読むときはexclusive(独占)という言葉にとても敏感にあります。つまり、Lagardère社はJリーグの海外放映権を独占しているというわけです。


こうなると「おや?」と首を傾げざるを得ません。というのは、本来Jリーグの海外放映権はスカパーが持っていたはずなのです。つまり、いつのまにやら売却(またはサブライセンス)されていたということに。


タイミングがいつなのかは分かりませんけど、せっかくの権利を有効に活用できなかったことについては残念と言わざるを得ません。もっとも、スカパーにディストリビューターの能力があるとも思えませんから、もともとどこかにお預けする運命だったのでしょう。

ということで、今後の興味は来年以降の海外放映権がどこになるのか?ということになります。これまでは漠然とDAZNかな?と思っていましたが、ここに来てLagardèreと楽天の連合という新たなプレーヤーが出現。もちろんさらなるプレーヤーが出てくることだってあり得ます。


DAZNが国内の放映権を獲得した際にはプレゼン形式での決定となりましたが、今度のケースでも同様と想定すれば、金額だけではなく将来のビジョンが問われることになります。

でも、このタイミングで楽天が満を持して進出したということは、結構な勝算があると解釈すべきかもしれませんね。たった半年で撤退なんてことはないでしょうし。


Rakuten Sportsはいまのところ無料サービスのようですが、今後どうマネタイズしていくのかも気になるところ。

放映権が売れた国については配信対象から外していくのかもしれませんが、いったん無料で配信したものを有料にするのはなかなか大変です。


もちろん、楽天グループとしての海外戦略のひとつとして組み込まれているわけですから、それも含めて今後の一挙手一投足に注目せざるを得ません。

英語の公用語化とかが話題になりますけど、楽天が真の意味で国際企業になれるかどうか。そろそろ決戦の時が近づいている感があります。

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