やや異議あり?広島のDAZN撤退理由。

東洋経済の伊藤歩さんの記事は信頼してますし、これまでにも何度か取り上げさせていただきました。

今回もとても分かりやすい記事だと思います。とくに放映権を取り上げるうえで、映像制作をどこが行っているかをきちんと紹介していることには好感が持てます。

放映権の管理者、映像の制作者、そして映像著作権の管理者。この三者は得てして異なるので、これを分けて議論しないと混乱を招くことがあります。
例えばJリーグだと、放映権はDAZNなどが持ってますが、映像著作権はJリーグが管理。映像制作もJリーグが行っております。(実際にはJリーグから委託を受けた業者)

よく「DAZNの実況が~」「解説が~」と批判されることがありますが、プロ野球だとDAZNが独自に実況・解説をつけているのは中日と横浜だけであり、あとは外部の映像をそのまま流しているだけなんですよね。なのでスカパーでもCATVでも内容は同じです。
ただ、広島とDAZNが決裂した理由についてはひと言物申したい。「広島県内からのアクセス制限」をDAZNが拒否したのが決裂の理由となっていますが、DAZNにとってこれが決定打となるほどの理由だとは到底思えないんですよね。

去年まで制限をかけていたということもありますし、阪神とは「5分ディレイ」というある意味屈辱的な条件すら受け入れている。「12球団コンプリート」という大義の前ではささいなことのように思えるのですがどうでしょう。

ちなみにJSPORTSでもオンデマンドではアクセス制限をかけてますし、ひかりTVなどのIPTV経由で流れるJSPORTSの放送にも制限はかかります。ネット配信というもの自体に広島球団、あるいは地元テレビ局が大きな脅威を抱き続けていると考えるのが妥当ではないかと思います。

あと、疑問に思ったのが契約期間のこと。私の記憶では広島はDAZNと2017年から3年契約を結んでいたはずで、それが今年になって配信がなくなったことがどうにも解せなかったのです。このことは過去の記事にも書きました。
しかし、この記事では2016年からの3年契約と書いてあるんですね。確かにこれなら辻褄は合いますが…

ということで、私が2017年からだと思い込んでいた理由は以下の記事です。
…えーと、同じ伊藤さんの記事ですね(^-^;
では、先の記事は誤りだったということで。そういうことにしておきましょう。

ヤクルトについての考察はこれで正しいと思います。広島が決裂しそうという情報がヤクルト側に入っていたかは定かではありませんが、12球団コンプリートという大義を持ったDAZNに対して強気の交渉ができたことは間違いないかと。
12球団が11球団になったら価値は11/12どころか、半分以下になってしまう。だから強気に出られる。フジテレビのバックアップもあるし。そんな感じでよいのでは。

DAZN側がノーコメントというのも当然ですね。下手なことは言えません。これが売り手市場というものです。

ということで、とっとと放映権の一括管理をお願いしますよ。といういつもの結論で本稿は終わりとさせて頂きます。

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