宴の後。DAZNにバスケファンを引き止める策はあるか?

FIBAワールドカップの日本代表(アカツキジャパン)は残念ながら世界の壁の高さを痛感する結果となりましたが、東京五輪に向けての楽しみもできたかと思います。

※グループリーグで終了ではなく、その後順位決定戦もありますのでまだまだ応援しましょう。

さて、大会途中ではありますがワールドカップ終了後の話。ほぼ全試合を配信したDAZNにとって、今後バスケットボールファンを引き止められるかという話題です。
なにせ4年に1度の大会です。せっかく放映権を獲得しても、それで新規会員を獲得しても、離反されてはあまり意味がありません。

Twitterでの反応を探る限りでは、お試し期間のみで退会するという声がだいぶ多いようです。それも仕方ありません。NBAは楽天ですし、BリーグはDAZNでも配信していますがバスケットLIVEのほうが安いわけですから。
バスケ関連の日本における放映権を整理しておきます。

■FIBA主催国際試合
DAZNの前身であるPerform GroupがFIBAと提携し、合弁会社「FIBA Media」を設立。契約は2033年までという長期なものです。
その縁でDAZNは多くの試合を配信できる立場にありますが、あくまで合弁会社ですのでFIBAの利益を最大化する義務があり、必ずしもDAZN独占というわけではありません。今回のワールドカップはフジテレビにも販売しています。

■NBA
DAZNもサービス開始当初は配信していましたが、2017-18シーズンより楽天が独占契約しました。期間は非公表ですが5年と言われています。

■Bリーグ
2016年のリーグ発足時にソフトバンクが4年間のスポンサー契約を締結。その縁で(ソフトバンク系列の)スポナビライブで配信されました。
スポナビライブ撤退後は救済措置としてDAZNにサブライセンスを提供。その後ソフトバンクは新たにバスケットLIVEを立ち上げ配信を行っています。
また、NHKなどテレビ中継も行っています。
これをふまえたうえで、今後DAZNが取り得る施策について勝手に考えます。

■Bリーグに注力する
来季(2019-20)をもってソフトバンクのスポンサー契約はいったん終了しますので、その後を狙うという案です。
しかし、ソフトバンクがバスケットLIVEに注力している以上、簡単に動くとは思えません。DAZNが持つ権利とクロスライセンスする、というのが現実的な案でしょうか。
また、Jリーグファンと海外サッカーファンの質が異なるように、BリーグファンとNBAファンの質も異なると考えられます。Bリーグが引き止め策として効果的なコンテンツであるかは疑問です。
昨シーズンも他の競技と時間帯が重なり、試合数が集中したときに一部試合の配信が取り止めになったり、録画対応になったりしました。この経緯を知っているファンはすでにバスケットLIVEに流れているでしょう。

■ユーロリーグを配信する
ヨーロッパ最高峰のリーグであるユーロリーグ。実はスペインのDAZNでは独占配信しており、イタリアでも最近始まったユーロスポーツのチャンネル経由で視聴できるそうです。
こちらを日本に持ってくることができれば、NBAファンにとってはこちらのほうが刺さるのではないでしょうか。問題は潜在顧客の数と放映権のバランスです。

■マーチマッドネスを配信する
3~4月にかけて開催されるNCAAトーナメントは「マーチマッドネス」の相性で知られています。今年は八村選手が出場したこともあり、楽天が放映権を獲得しました。
来年以降は目玉の選手がいるかわかりませんが、目の肥えたファンなら日本人がいるかどうかは関係ありません。
ただし、放映権は複数年契約するのが通常なので、来年も楽天が持っている可能性は高いです。また、放映権料がべらぼうに高いとのことで、コスパにも疑問が残ります。

■特になにもしない
実はこれが一番現実的かもしれません。
ほとんどのスポーツにオフシーズンがあるわけですから、特定の競技しか見ない人はどうしたって解約します。無理にコストを消費してまで引き止める必要はありません。
特定の競技しか見ない人を、他の競技も見てもらうようにすることが解約防止策です。それが難しければ、シーズン中だけでも契約してもらったほうがマシというわけです。
DAZNがサブスクリプションの形態をとっているのも、また契約も解約もしやすい点を謳っているのもそういう意味です。
もちろん放映権は取ったり取られたりするものですから、取られたときの流出を食い止めるという側面もありますね。


以上、勝手に提案してみましたが、個人的にはユーロリーグの配信に期待しています。日本のバスケ人気を確かなものにするために、各社の努力を求めたいものです。
↑こんな記事広告も出てました。それなりにやる気があるのだと思いたい。

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