MGC直前。なんだかんだでスッキリした選考基準。

いよいよ明日に迫ったMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)。天気予報をみると雨の確率が高いようで、想定していた過酷なコンディションにはならなそうですが、それでもさまざまなしがらみの中で(ほぼ)一発勝負にまでこぎつけた努力には拍手を送りたいと思います。

当ブログの直近のアクセス数もMGCに関する記事が多く、関心の高さが伺えます。以前にも書いた通り、男子はTBS、女子はNHKという2局同時中継。両局によるコラボ企画もいろいろも用意されてるとのことです。

さて、上位2名が自動的に内定するという明確な選考になったわけですが、実は元々はもっと複雑な基準が存在してまして、スッキリとなったのは結果的にすぎません。
中でもヤバかったのは、今年3月に国際陸連が発表した選考基準。リオ五輪よりも標準記録が大幅に短縮され、MGCで上位に入っても出場が確約されない事態となったのです。

夏場のレースでかつペースメーカーも付かないため、おそらくタイムは期待できません。ここまでMGCの制度を整備したにも関わらず、国際陸連の意向で台無しにされかねない状況でした。
で、先に結果を書いておきますと、この問題はクリアされています。選考基準の中には、国際陸連が「ゴールドラベル」に認定したレースで5位以内に入った選手は標準記録をクリアしてなくても参加資格を得られるという記述があります。

MGCは日本選手権を兼ねていますが、あくまで国内大会ということで、ゴールドラベルより2段階下の「Bランク」です。ランクが低いと世界ランキングのポイントも稼げないという問題もありました。
しかし、特例措置でゴールドラベルと同等の扱いにすることが認められたため、晴れてMGCの上位2名はタイムと関係なく内定が得られることになったのです。また、補欠も考慮すると5位までに資格があることになります。
ちなみに同様の問題を抱えていたアメリカもゴールドラベル扱いになったとのことです。こちらの選考会は来年2月29日にアトランタで開催されます。
陸上競技の参加資格については以下の記事が詳しいのですが、五輪の肥大化が問題となっている中、選手数を削減する目的でかなり規準が厳しくなっています。

基本的には種目別に定員があり、世界ランキング上位の選手および標準記録をクリアした選手に出場資格が与えられることになります。1か国3名までの出場であることは共通です。(リレー除く)
マラソンの定員は男女各80名。また、世界ランキング・標準記録のほかに以下の基準が設けられています。

・ドーハ世界陸上→10位以内
・ワールドマラソンメジャーズ→10位以内
・ゴールドラベル→5位以内

最終的な世界ランキングが発表されるのは来年6月。まったくもって油断なりません。
最後に、予想というか筆者が応援したい選手について。男子は宮脇千博選手。高卒から直接トヨタ自動車に進んだ異色の経歴を持つ選手が箱根組をひとりでも食ってほしいと思ってます。
女子は鈴木亜由子選手ですかね。潜在能力は誰もが認める優勝候補ですが、今年レースを走ってないので資格が危うかった。今回の特例措置の恩恵をもっとも受けるであろう選手だと思います。

全員が持てる能力を最大限に発揮できることを願って、とにかく楽しみましょう。

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