五輪直前まで出場がわからない?「IAAFワールドランキング」を知る。
本日(9/27)より世界陸上がいよいよ始まります。
それと並行した動きで、国際陸連(IAAF)が今年から導入した世界ランキング制度「IAAFワールドランキング」のことを知っておいたほうがいいかな、と思い本稿を書き始めていたのですが、タイミングが悪く十種競技の右代選手の問題が発生してしまいました。同様の混乱がまた起こることを懸念するばかりです。
今年の世界陸上と来年の東京五輪では、また選考基準ががらっと変わるのです。以前までの標準記録にワールドランキングを加えた二本立てとなります。
オリンピックは競技数が増える一方で、肥大化が批判されています。よって、各競技とも出場できる人数を減らす傾向にあります。開催国枠をなくした競技も多数あります。
かつては男子100mなど、普段耳にしない国の選手が予選を走るほのぼのとした光景がありましたが、そういうのも見られなくなります。悲しいところですね。
ワールドランキングでは「記録」「順位」「大会の格付け」をもとに得点を計算します。種目ごとに有効期間(12~18か月)と、最低出場数(2~5大会)が定められており、その間の平均得点によって順位を決めます。
東京五輪における陸上競技の定員は最大1900人で、さらに種目ごとの定員が振り分けられています。標準記録はその定員の半数程度がクリアできる水準に設定され、残りの枠はランキングによって選出されます。
そういうこともあって、今回の標準記録の設定はリオ五輪よりも相当厳しくなりました。逆に言えば、標準記録をクリアできなくても五輪出場の可能性が残されるという意味でもあります。
マラソンと50km競歩は来年の5月31日まで。その他の種目は6月29日までに開催された大会がランキングの対象です。ですから、それが終わらないと東京五輪の出場者は確定しないことになります。
今年7月に公表された日本陸連の選考基準では、日本選手権で3位以内に入った選手が優先的に選ばれることになっています。なので、標準記録到達かつ3位以内で内定と考えてよいでしょう。
到達者がたくさんいる種目であれば日本選手権がほぼ一発勝負の場となりますが、さほどいない種目であればダイヤモンドリーグなどより格の高い大会でランキングを上げることも選択肢となってきます。
執筆時点(9/17発表)でのランキングを少し見てみましょう。(各国上位3人を対象)
男子100mでは桐生選手が11位、小池選手14位、サニブラウン選手20位と9秒台トリオがもちろん上位に。決勝進出まであと一歩のレベルに来ています。
なお、桐生選手の9秒台は対象期間を過ぎており、今回はアジア選手権優勝のポイントが効いています。同じドーハが舞台なだけに会場を味方につけたいところ。
また、男子マラソンでは設楽選手15位、服部選手16位、大迫選手25位。MGC優勝の中村選手は大迫選手より20ポイント低いのですが、26位の選手を上回っています。
設楽選手はゴールドコースト、服部選手は福岡で優勝したことが高ポイントの理由。大迫選手はシカゴとMGCが対象となり順位を落としています。MGCは日本選手権という扱いのため、ポイント計算上では格が低いのです。東京で棄権したのがここで効いてますね…
ワールドランキングに入るためには過去18か月以内に2大会を完走する必要があるため、今後ランク外となる選手も出てきます。(東京五輪では2019年1月~2020年6月が対象)
ただし、MGC5位以内の選手は標準記録突破とみなされるため、内定者がもう一度走る必要はありません。右代選手のことがあるので心配にはなりますが、ランキング的には競技レベルで弾かれることはない水準です。100%とは断言できませんがまぁ大丈夫。
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