【本の紹介】オリンピックと商業主義
オリンピックイヤーということで、オリンピックにまつわるカネの話にも注目度が高まっておりますが、その入門書とも言える本の紹介です。
IOCの収支に関する話はこれまでにも何度か取り上げてきましたが、実際のところこの本を紹介すればほぼ説明がつくのではないかと。そのくらい充実している本なので、ぜひ一読をおすすめします。
この本が出版されたのは2012年で、まだ2020年の開催地は決定していません。それゆえにかなり中立的な立場で書かれています。あとは現在発生しているさまざまな問題についてアップデートしていけばよいわけです。
スポンサーや放送局の意向によってオリンピックの理念が歪められてしまうことが「商業主義」であって、もちろんそれは批判されて然るべきですが、オリンピックの予算は民間からの資金だけではなく公的資金もあります。
すなわち政治の影響も避けられず、それもまたオリンピックの理念を歪めます。商業化自体は決して悪ではありませんが、影響力を持ちすぎることが問題であって、要はバランスです。
じゃあオリンピックなんかやめちゃえ、という意見もあるでしょう。確かにいまはあらゆる競技の世界選手権の映像が世界中で観られる時代です。
でも、そんな時代だからこそあえて多数の競技を短い期間に、かつ近い場所で開催することに意義があるのではないかとも思ったりします。
来年に向けて、人それぞれがオリンピックに対してどんな姿勢で向き合うのか。それを考えるためにも、お金のことは知っておいたほうがいいのではないか。そう思わせてくれる一冊です。
ということで、当ブログではこの本の内容もおおいに参考にさせてもらいつつ、その後のアップデートについてもきちんとお伝えしていく所存です。
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