レッドブル、オーストリアでF1放送を目論む。

豊富な資金力で世界のさまざまなスポーツに投資するレッドブル。F1ではアルファタウリ(昨年までのトロロッソ)とあわせて2チームを参戦させておりますが、今度はF1の放映権にも興味を示しているとのこと。

本拠を置くオーストリアがその対象。レッドブルはすでにオーストリアで「Servus TV」(ゼルブスTV)という無料放送局を保有。元はCATV向けのチャンネルでしたが、2009年に買収すると地上波での放送を開始しました。
現在は公共放送局のORFが放送しており、契約は今年まで。ヨーロッパらしいと言いますか、この背景には近年高まる民族主義の台頭が絡んでいます。いわゆる極右と呼ばれる政党が支持を伸ばし、ついには連立与党に。彼らは公共放送の報道姿勢に批判的なため、いろいろと介入を画策しているわけです。

その中で予算が削減され、F1の高い放映権料を支えることが難しくなってきており、そこでレッドブルに参入のチャンスが出てきていると。同様にSkyも興味を持っているとされ、両局の争いとなりそうです。

公共放送と言えば、日本のみならず本家のイギリスBBCにも受信料廃止論が持ち上がったりしているのですが、報道姿勢をめぐる政治的な駆け引きに矮小化されるのは実につまらないな…と。

スポーツにおいてはこれまでにも取り上げている「ユニバーサル・アクセス権」との絡みで注視しなければならないテーマです。ヨーロッパで起こっていることは対岸の火事ではなく、日本にも確実に降りかかります。残念ながら日本にはレッドブルのような酔狂な(?)企業はありませんからね…

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