先行き見えぬJリーグ再開。カギはDAZNとの二人三脚。

これまでヨーロッパのサッカーの話題をいくつか取り上げてきましたが、やはりJリーグの今後が気になるところです。

日本はヨーロッパの主要国と比較すればコロナウイルスによる犠牲者は少ないと言えますが、かといってまったく油断はできず、緊急事態宣言が延長された現状継続ではリーグ再開のめどは立てられません。

無観客でも試合が開催されれば、多くの人を家にとどめておくことができますし、娯楽を提供することには大きな社会的意義があります。しかし、そのことについて理解を得るのは簡単なことではありません。

ヨーロッパがあれだけの犠牲者を出しながらも再開に向けて動いているのは、もちろんカネの問題も大きいですが、それだけフットボールが文化として根付いているからであり、日本はまだその段階には達していないのです。
Jリーグはクラブへの支援など当座の資金について融資枠を設定。直ちに融資を受けることを意味するものではありませんが、200億円という金額はDAZNマネーの約1年分であり、その裏付けがあるからこそ融資をひっぱれるのです。

でも、そのDAZNマネーについても約束された未来ではなく…
もしリーグ再開が遅れ、予定の試合数を消化できなかった場合、DAZNの放映権料はどうなるのか。その契約内容について第三者である我々は知ることができませんが、そのかけらが見えるような記事が出ています。

夏場までに再開できれば、最大でも1割未満の減額に抑えるという内容です。10年契約の4年目である今年はDAZNから185億円が支払われる予定になっていますが、減額は最大でも18.5億円ということになります。

各クラブに支払われる分配金はJ1なら3.5億円となっていますが、賞金など他の出費を切り詰めることになっているため、この金額はなんとか維持できそうです。試合ができればスポンサーの多くをつなぎ止めることはできるでしょう。あとは観客収入の減少をどう見込むかになります。

強く、人気のあるクラブほど損害は大きくなりますが、いまは脱落するクラブをなくすことが最優先であり、配分も均等に近いものとならざるを得ません。もっともコロナと無関係に赤字を垂れ流しているクラブをどうするかという問題もありますが…

当然ながらDAZNも大きなダメージを受けています。かりに6月にシーズンが再開されたとして、当初10か月あったシーズンは6か月(開幕節を含めても7か月)に短縮されるわけで、月額課金である以上その分は損失となります。1割減ではとても済みません。

それでもDAZNにとってJリーグは未来のキャッシュを生むニワトリ。まだレベルは高くないかもしれませんが、10年間を通じて金の卵を産むニワトリに育て上げなければいけません。ニワトリを殺すことはできないし、自らが死ぬこともできない。その中で見出だされた妥協点が1割だと言えます。

DAZNの依存度が高いことは問題ですが、以前から分かっていたことでもあり、対策もだいたい見えています。リーグの価値を高め、海外に放映権を売ったり、スポンサーを呼び込んだり、優秀なプレイヤーを輩出するなど、やるべきことを愚直にやっていくだけです。

タイトルを「二人三脚」としましたが、これはお互いに足を縛っているパートナーだという意味。一蓮托生と言い換えたほうがよいのかも。とにかく共倒れだけは避けねばなりません。

幸い、情報公開についてはきちんとしている組織ですから、今後も「JリーグTV」などで最新の情報をチェックするようにします。
●日本の状況(5/6現在)
感染者数: 15,382
死者数: 566
人口: 1億2,500万人

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