【GCNレースパス】サービス開始直前情報
いよいよ、あす8/1に行われるストラーデ・ビアンケから「GCNレースパス」のサービスが開始されます。
筆者は執筆時点でまだ契約していません。たぶんするのだとは思いますが、まず外部にある情報をなるべく集め、これから契約を考えている方に少しでも参考になればと考えております。
また、他のスポーツも含めて過密日程の中で、どれだけ時間を割けるかについても思案中です。自転車だけでも同じ日に複数のレースがかぶります。時間配分にはおおいに悩まされること必至です。
さて、GCN Japanから公式動画がアップされていますので、サービス内容についてはこちらを押さえて頂ければと思います。そのうえで、何点か気になることに触れてみます。
それにしても情報が少ない。アプリ内に閉ざされたサービスであることも一因ですが、日本の自転車系メディアがほとんど取り上げていません。
GCNもメディアと捉えれば競合にあたるのかもしれませんが、ユーロスポーツの系列会社が直接乗り込んできたことの意味をきちんと掘り下げるのがメディアの役割ではないかと思うのです。やらないなら個人ブログでやるしかないですね。
■そもそもGCNってなんなの?
2013年にイギリスで始まったサービスで、2019年にはディスカバリーが買収しました。あのディスカバリー・チャンネルのディスカバリーです。自転車ファンならその意味がわかるはずです。
まだ、ディスカバリーの傘下にはサイクルロードレースの放映権を多数獲得しているユーロスポーツがあり、GCNは兄弟会社となります。
これまで広告モデルで運営してきたGCNにとっては初の課金モデルであり、サービス内容に対する信用はこれから積み上げていくことになりますが、これまでの運営実績と資金面については充分なものがあります。
■配信されるレースについて
まず、当初のスケジュール発表後にケベックとモンレアルの2連戦が中止となっています。ちなみにこのレースの(日本向け)放映権はIMGです。
スケジュールに含まれるレースは、ユーロスポーツがグローバル向けの放映権を持っているものと、IMGが日本向けの放映権を持っているものに大別されます。JSPORTSがすでに獲得しているASOのレースは含まれません。
この仕組みは昨年までのDAZNと変わっておらず、必然的にラインアップもDAZNの時とよく似たものになっています。
※あと代理店としてはInfrontがありますが、ツール・ド・スイス、ハンマーシリーズがともに中止となったため来年以降の扱いは不明です。
気になるのはJSPORTSで放送予定のツール・ド・ラヴニールの名前がリストに入っていること。これはどう処理されるのでしょう。
■コメンタリーについて
ここは懸念されるところです。GCNのTwitterではなるべく付けたい、大きなレースでは付ける予定だとしています。
他の言語はユーロスポーツの放送を流用しますが、日本語だけは新規に起用せねばなりません。裏返せばそれだけ日本市場に可能性を見出だしてくれてるとも言えますが、視聴者にそっぽを向かれては意味がありません。
コメンタリー陣は土井ちゃん以外不明です。人選を進めているとは思いますが、ここは事前にわかるようにしておいてほしいところです。誰が起用されるかは大きな関心事ですから。
また、JSPORTSとDAZNではコメンタリー陣が完全に分かれてしまいましたが、今後どうなるかも気になるところでしょう。最近だと別府始さんが栗村修さんとともにイベントの司会を努めたり、宮澤崇史さんが栗村さんとインスタライブをしたりと雪解けムードが感じられますが…さて。
【追記 8/1】
DAZNで実況を担当されていた木下貴道さんが意味ありげなツイートをされていたので紹介しておきます。
よし、やるか。#いつものやつ#お久しぶりね#詳細後報#ドゥッチョラシエナハー#集え! pic.twitter.com/pEpadWC2ub
— 木下貴道 (@mega_necktie) July 30, 2020
■価格設定について
年額5,500円(8/12まで5,000円)という設定ですが、現実的に他社がこれより安い価格を設定することはほぼ不可能でしょう。
なにせユーロスポーツの兄弟会社なのですから、放映権の調達コストは大きく抑えられます。また、多くの国で同時にサービスを提供するスケールメリットも見込めます。
※昨日、月額プラン(900円)が追加されました。お試しの方や、今年は短縮シーズンなので年間は…という方にはよいかと思います。
そのかわり、ローカライズが追いついていない現状があります。今後どれだけコストを割くかによりますが、契約者が増えなければ予算も増えないというジレンマも。
なお、料金設定は国によって異なり、とくにヨーロッパでは割引率が高くなっています。GCNの本拠地であるイギリスだと年額39.99ポンドが半額の19.99ポンドになります。すでにユーロスポーツと年間契約している人にとっては旨味がないだけに、そこは思いきった設定にしているのでしょう。
■すぐ撤退したりしない?
こればっかりは分かりません。ユーロスポーツ経由で長期にわたって放映権を押さえているとはいえ、裏を返せば早めに引くこともできます。引き続きユーロスポーツで放送される国はそれでもよいのですが、日本にとってはダメージです。
また、日本語のサポートについてもいつまで続く、どこまで強化されるかは今後の契約数しだいであり、サービスは継続されても日本語対応でなくなることもあり得ます。
これまでは他のスポーツとセットになっていたものが、自転車単独で採算をとれるのか試されています。もちろん事前に入念なリサーチを行ったうえでの参入だとは思いますが、ただでさえビジネスモデルが脆弱なロードレース界です。失敗すれば全体のパイが縮小することになりかねません。
逆に成功すれば他のスポーツに依存することなく勢力を拡大させるという未来もあり得ます。どちらに転ぶかはひとえにサービスの内容次第と言えます。
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